
ユーロドル、続伸 仏中銀総裁が「利上げを停止すべきではない」と発言
【前日の為替概況】ユーロドル、続伸 仏中銀総裁が「利上げを停止すべきではない」と発言
7日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続伸。終値は1.0020ドルと前営業日NY終値(0.9957ドル)と比べて0.0063ドル程度のユーロ高水準だった。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの観測を背景に全般ドル売りが先行。ビルロワドガロー仏中銀総裁が欧州時間に「インフレが明らかにピークに達していない限り、利上げを停止すべきではない」と発言したこともユーロ買いを促し、一時1.0034ドルまで値を上げた。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁も「インフレはあまりに高すぎる」「インフレを2%に戻さなければならない」などと述べた。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時110.05まで低下した。
ドル円はほぼ横ばい。終値は146.63円と前営業日NY終値(146.62円)と比べて1銭程度のドル高水準だった。ユーロやポンドに対してドル売りが進むと、円に対してもドル売りが先行。市場では「8日投開票の米中間選挙や10日発表の10月米消費者物価指数(CPI)など、米重要イベントを前に持ち高調整目的のドル売りが出た」との声も聞かれ、一時146.09円と日通し安値を更新した。
ただ、ユーロ円やポンド円などクロス円が上昇した影響も受けたため、下値は限定的だった。米10年債利回りが4.22%台まで上昇したことも相場を下支えした。
ユーロ円は続伸。終値は146.88円と前営業日NY終値(145.99円)と比べて89銭程度のユーロ高水準。ユーロドルの上昇につれた買いが入ったほか、米国株高に伴う円売り・ユーロ買いが出て、一時147.00円と日通し高値を更新した。
【本日の東京為替見通し】ドル円、米中間選挙の影響は限定か
本日は日米で注目の経済指標の発表は予定されておらず、ドル円は米長期金利の動向をにらみながらの動きが見込まれる。日本当局は9-10月に9兆円を超える円買い介入を行っている。今のところ、円相場の急速な下落の阻止には一定の効果があったと評価できそうで、ドル円は神経質な動きながらいったん145.00円-150.00円のレンジに納まっている。今後、米10月消費者物価指数(CPI)などの結果を受けて、どっち方向にブレイクするかに注目だ。
本日は米中間選挙の投開票が行われる。この選挙結果は、バイデン大統領が残る2年間の政権運営でどれほど力を発揮できるかにも影響を与え、今後の政治の方向性および2024年の大統領選挙を占う上で非常に重要なイベントである。今回は下院の全435議席と上院の100議席のなか35議席が改選となる。最近の世論調査では、下院は共和党優勢、上院は拮抗とされている。選挙後は上下院で多数派が異なるねじれが発生するか、もしくは上下院ともに共和党が多数派になる可能性が高い。いずれにせよ、バイデン政権は早くもレームダック化の色合いが濃くなり、思い切った政策の決定・実行は困難になっていきそうだ。ただ、足もとでは金融政策が相場の焦点となっているなか、選挙結果が米連邦準備制度理事会(FRB)の動きに直ちに影響を与えるとは想定されず、ドル円の反応は限られそうだ。
【本日の重要指標】
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 9月家計調査(消費支出、予想:前年比2.6%)
○08:30 ◇ 9月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比1.7%)
○08:50 ◇ 10月外貨準備高
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(10月27-28日分)
○14:00 ◇ 9月景気動向指数速報値(予想:先行97.8/一致101.1)
<海外>
○08:30 ◇ 11月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○09:01 ◇ 10月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○09:30 ◇ 10月豪NAB企業景況感指数
○16:45 ◇ 9月仏貿易収支(予想:146.50億ユーロの赤字)
○16:45 ◇ 9月仏経常収支
○17:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○18:00 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.4%/前年比▲1.1%)
○9日02:30 ◎ ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○米中間選挙
○インド(シーク教ナナック生誕日)、休場
9日
<国内>
○08:50 ◎ 9月国際収支速報
<海外>
○10:30 ◎ 10月中国消費者物価指数(CPI)
○10:30 ◎ 10月中国生産者物価指数(PPI)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
7日15:14 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「インフレが明らかにピークに達していない限り、利上げを停止すべきではない」
「インフレ率は23年前期にピークに達する可能性があり、目標値に戻るには2~3年かかる」
8日04:50 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「インフレはあまりに高すぎる」
「インフレを2%に戻さなければならない」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=じり高予想の基準線を追う展開となるか注視>
小陰線引け。不安定な上下が予想される一目均衡表・転換線をやや下回る水準で、はっきりしない相場展開となっている。
現状からすれば転換線は、本日の146.98円から明日には147.27円へいったん切り上がる見込み。転換線の動きに追随して、今後147円台から148円台へじり高となることが予想される一目・基準線を追う展開へ持ち込めるか注視する状況となる。
レジスタンス2 148.40(11/4高値)
レジスタンス1 147.57(11/7高値)
前日終値 146.63
サポート1 145.68(11/2安値)
<ユーロドル=下押しあっても雲の上限が支えに>
陽線引け。一目均衡表・雲の上限0.9952ドル付近の攻防で、押し戻される展開が先行した。しかし、一目・転換線0.9912ドルを割り込んだ水準では下げ渋って反発。雲付近から上放れた。一時1.0034ドルまで上昇し、パリティ(1ユーロ=1ドル)付近で推移する90日移動平均線を上回った。低下中の同線越えの水準で伸び悩む可能性もあるが、下押しがあっても雲の上限が支えになるとみる。
レジスタンス1 1.0094(10/27高値)
前日終値 1.0020
サポート1 0.9952(日足一目均衡表・雲の上限)
<ポンド円=転換線を上回る水準で上昇の勢い緩む可能性も>
大陽線引け。一目均衡表・基準線165.93円付近から、一目・転換線168.62円を上回る水準まで上伸した。今後の低下が予想される転換線を上回る水準でいったん上昇の勢いが緩む展開も想定しておきたい。反落となった場合、167円台で上昇中の21日移動平均線付近が下げ渋りのポイントになるか注目となる。
レジスタンス1 169.93(ピボット・レジスタンス1)
前日終値 168.80
サポート1 167.89(21日移動平均線
<NZドル円=年初来高値を視野に入れた底堅い推移予想>
下影小陽線引け。一時86.01円まで下振れた。しかし、86円割れ水準で推移する一目均衡表・転換線を割り込まず、87円台へ反発した。上昇が予想される転換線を上回る水準で底堅く推移しそう。9月14日につけた年初来高値も視野に入りつつある。下押しがあったとしても5日線付近までにとどめ、上昇の流れを維持するとみる。
レジスタンス1 87.89(9/14高値=年初来高値)
前日終値 87.07
サポート1 86.55(5日移動平均線)

情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社
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