【本日の東京為替見通し】ドル円は底堅い、フェドウォッチ変わらず過度のドル買いには要警戒

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【前日の為替概況】ドル円、続伸 ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を大きく上回る

17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は134.47円と前営業日NY終値(133.79円)と比べて68銭程度のドル高水準だった。4月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が10.8と予想の▲18.0を大きく上回り、4NAHB住宅市場指数が45と予想の44をやや上回ったことを受けて、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが進行。24時前に一時134.57円と315日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。米長期金利の指標である米10年債利回りは一時3.6042%前後と329日以来の高水準を付けた。

一目均衡表雲の上限134.48円を超えたところでは買いの勢いは弱まったものの、下押しは134.39円付近にとどまった。

ユーロドルは続落。終値は1.0926ドルと前営業日NY終値(1.0992ドル)と比べて0.0066ドル程度のユーロ安水準だった。欧州市場序盤に一時1.1000ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は上値が重くなった。米経済指標の上振れを受けて、米景気の悪化懸念が和らぐと米長期金利が上昇。欧米金利差の拡大を見込んだユーロ売り・ドル買いが優勢となり、2330分過ぎに一時1.0909ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.23まで上昇した。

ユーロ円は8営業日ぶりに小反落。終値は146.92円と前営業日NY終値(147.04円)と比べて12銭程度のユーロ安水準。ユーロドルの下落につれた売りが出て一時146.67円と日通し安値を付けたものの、ドル円の上昇につれた買いも入ったため、下値は限定的だった。

 

【本日の東京為替見通し】ドル円は底堅い、フェドウォッチ変わらず過度のドル買いには要警戒

本日のドル円は、値動きは限定されるだろうが、底堅さを維持できるか。先週は米国の複数インフレ指標が弱かったのにもかかわらず、米金利の低下幅は限られた。また、昨日は予想よりも強い米経済指標が発表されると、米金利は上げ幅を広げた。米金利は上昇基調をたどっているといえる。本日も米金利の基調が支えとなり、ドル円は一定の底堅さを保った取引となりそうだ。

もっとも、CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウォッチ」は、この数週間は変化が乏しい。「フェドウォッチ」では、次回5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)利上げ(FF金利誘導目標レンジを5.00-5.25%へ引き上げ)予想が9割弱となっている。しかし、年央から徐々に利下げ予想が増え、今年最後12月のFOMCでは、5.00-5.25%の水準を保つとの予想はわずか5%程度しかない。これは、中長期的な視点で捉えると、金利市場は年央から年後半にかけての景気低迷による金利低下のシナリオを一切変えていないといえる。ここ最近は、米金利が上昇基調をたどっているとはいえ、レンジの中での取引でもあり、過度にドル買いに反応することには、一定の警戒感をもつ必要もありそうだ。

なお、本日のアジア時間では中国から、13月期国内総生産(GDP)はじめ複数の経済指標が発表される。市場予想と結果にかい離があった場合は、為替市場もリスク選好・回避の動きになることもあるので注意を払いたい。

 

【本日の重要指標】

※時刻表示は日本時間

<国内>

特になし

 

<海外>

10:304月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨

11:0013月期中国国内総生産(GDP、予想:前期比2.2%/前年同期比4.0)

11:003月中国鉱工業生産(予想:前年比4.0%)

11:003月中国小売売上高(予想:前年比7.4%)

15:003月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)

15:00122月英失業率(ILO方式、予想:3.7%)

17:30 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演

18:004月独ZEW景況感指数(予想:15.3

18:004月ユーロ圏ZEW景況感指数

18:002月ユーロ圏貿易収支

21:303月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比4.3%)

21:303月米住宅着工件数(予想:140.0万件、前月比▲3.5%)

建設許可件数(予想:145.0万件、前月比▲6.5%)

1902:00 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

 

【前日までの要人発言】

17日13:41 ナーゲル独連銀総裁

「コアインフレは夏前には鈍化する見込み」

 

17日15:43 カザークス・ラトビア中銀総裁

「5月会合では0.25%か0.50%の利上げが選択肢」

 

18日00:41 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁

「(2%の物価目標の変更についての質問で)インフレ目標が達成された場合、議論することは可能」

 

18日02:37 バーキン米リッチモンド連銀総裁

「インフレが目標に向かって低下しているとのさらなる証拠が必要」

「潜在的な銀行の緊張に勝利宣言したくない」

※時間は日本時間


〔日足一目均衡表分析〕

ドル円=終値で上回れなかった雲上限を明確にこなせるか

陽線引け。133円台で上昇中の5日移動平均線付近から上値を試す動きとなった。一時134.57円と315日以来、約1カ月ぶりの高値を付けている。

終値でわずかに上回れなかった一目均衡表・雲の上限134.48円の抵抗を明確にこなせるかどうかの攻防となる。調整の下押しがあっても、5日線付近が目先の支えとなりそうだ

レジスタンス2      135.95(3/9安値

レジスタンス1      135.11(3/15高値)

前日終値                        134.47

サポート1                       133.69(5日移動平均線付近

 

<ユーロドル=調整局面、21日線や基準線のサポート確認

陰線引け。目先のサポートとして期待された一目均衡表・転換線1.0954ドルを割り込んだ。1.0909ドルまで下値を探っている。まずは1.0890ドル前後で推移する21日移動平均線付近の攻防か。割り込むようであれば一目・基準線が次のサポート。調整局面だが、両線とも上昇傾向で底堅い流れを示唆している。相場の大きな崩れは回避できる予想する。

レジスタンス1      1.1000(4/17高値

前日終値                        1.0926

サポート1                       1.0854(ピボット・サポート2

 

ポンド円5日線付近で底堅く、高値更新うかがう

陽線引け。目先のすう勢を示す5日移動平均線付近で底堅く推移した。一時166.63円まで上昇。13日につけた年初来高値166.84円を意識した展開となっている。本日、5日線は166.23円へ切り上がった。高値圏で同線を下回る場面はあるかもしれない。しかし、上昇が続く5日線を下回る水準では下げ渋り、上向きの流れは維持できるとみる。

レジスタンス1      166.84(4/13高値=年初来高値)

前日終値                        166.44

サポート1                       165.89(ピボット・サポート1

 

NZドル円転換線の動向は一定の底堅さ示唆

下影小陽線引け。83円前後で上下と、一目均衡表・転換線付近で戻りが鈍かった。転換線は本日82.93円へ小幅に低下。同線の低下は目先の重さの示唆ともいえる。しかし、現状レンジの推移を維持できれば、転換線は週後半13日にも83円を回復する見込み。同線付近から大きく下振れにくく、一定の底堅さが続くと想定できる

レジスタンス1      83.65(日足一目均衡表・雲の上限

前日終値                        83.12

サポート1                       82.58(21日移動平均線

 

 

chart 1

chart 2
  情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

 

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