【本日の東京為替見通し】ドル円は値動き限定か、短期・中長期の米経済の先行き相違で不安定

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【前日の為替概況】ドル円、3日ぶり反落 1カ月ぶり高値を付けた反動で利食い売りなど先行

18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。終値は134.12円と前営業日NY終値(134.47円)と比べて35銭程度のドル安水準だった。アジア時間に一時134.71円と315日以来約1カ月ぶりの高値を付けた反動で利食い売りなどが先行。欧州通貨やオセアニア通貨に対してドル売りが進むと、円に対してもドル売りが出て一時133.86円と日通し安値を付けた。米10年債利回りが3.54%台まで低下したことも相場の重し。

ただ、前日の安値133.63円が目先サポートとして働くと下げ渋った。ブラード米セントルイス連銀総裁が「インフレは根強く利上げ継続が適切」「制限的な政策金利は5.5%から5.75%の範囲と見込む」と発言したほか、ボスティック米アトランタ連銀総裁が「あと1回の利上げを予想」「米連邦準備理事会(FRB)はかなりの期間、金利水準を維持すると予想」と述べたことなども相場を下支えした。

ユーロドルは3日ぶりに反発。終値は1.0972ドルと前営業日NY終値(1.0926ドル)と比べて0.0046ドル程度のユーロ高水準だった。欧州市場では一時1.0983ドルまで上昇したものの、NY市場に入ると上値が重くなった。FRB高官から利上げ継続の主張が相次いで伝わったことが相場の重しとなり、一時1.0943ドル付近まで下押しした。もっとも、米長期金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが入り、1.09ドル台後半まで持ち直した。ユーロ円は反発。終値は147.16円と前営業日NY終値(146.92円)と比べて24銭程度のユーロ高水準。ただ、NY市場に限れば147.00円を挟んだ狭いレンジ取引に終始した。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。

 

【本日の東京為替見通し】ドル円は値動き限定か、短期・中長期の米経済の先行き相違で不安定

本日のドル円は、値動きが限定されそうだ。先週は米国から注目される経済指標発表など、複数のイベントがあったことで、為替相場は大きな値動きを伴ったが、今週はこれまではイベントが少なく、レンジ内での取引となっている。もっとも、本日は米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表され、本邦からも21日には3月の全国消費者物価指数(CPI)が発表されることもあり、徐々に市場も盛り上がってくることになりそうだ。

為替市場が方向感なく動いている要因としては、米経済の先行きについて短期的にはインフレ警戒感があるものの、中長期的には景気低迷の予想が主になっていることがあげられる。

昨日も米金融大手バンク・オブ・アメリカ(BOA)のモイニハンCEOは「顧客はより多くの支出をしており、それが米国の雇用を支えている」と述べ、予想よりも消費支出の流れが拡大していることを指摘した。その一方で「今年後半に緩やかな景気後退を見込んでいる」との見解は変えていない。これは、CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウォッチ」でも同様で、5月の25ベーシスポイント(bp)利上げ(FF金利誘導目標レンジを5.005.25%へ引き上げ)は8割を超えているが、12月には更なる利上げと見込んでいる予想は1%にも満たず、90%以上が利下げ予想となっている。

米金融大手JPモルガンのダイモンCEOが「金融危機で市場に多くの動揺が引き起こされ、銀行やその他の貸し手が一段と保守的になる」と指摘しているように、金融大手のCEOが揃って今後の景気に不安を抱えている。目先の米経済指標が強含んでいても、年後半への不安をぬぐえないことがドルの重しになりそうだ。

本日のアジア市場は、本邦の2月鉱工業生産確報と設備稼働率などが発表されるが、他のアジア諸国やオセアニア国からは、主だった経済指標の発表は予定されていない。しかしながら、欧州は入り際すぐに英国から3月の消費者物価指数(CPI)が発表されることで、昨日同様に欧州参入後はポンドが市場のトレンドを作る可能性もありそうだ。

 

【本日の重要指標】

※時刻表示は日本時間

<国内>

13:302月鉱工業生産確報

13:302月設備稼働率

<海外>

15:003月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比9.8%)

15:003月英CPIコア指数(予想:前年比6.0%)

15:003月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.6%/前年比13.3%)

17:003月南アフリカCPI(予想:前月比0.9%/前年比6.9%)

17:002月ユーロ圏経常収支(季節調整済)

18:002月ユーロ圏建設支出

18:003月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比6.9%)

18:003月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比5.7%)

19:35 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演

20:00MBA住宅ローン申請指数

20:002月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲0.3%)

20:00 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演

21:153月カナダ住宅着工件数(予想:23.78万件)

21:303月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.3%)

21:303月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲0.8%)

23:25 ◎ デコス・スペイン中銀総裁、講演

23:30EIA週間在庫統計

2001:00 ◎ シュナーベルECB専務理事、講演

2003:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

 

【前日までの要人発言】

18日10:40 豪準備銀行(RBA)議事要旨

「金融政策のタイムラグで、経済に及ぼす完全な影響はまだ観察されていない」

「金融政策が短期間ですでに大幅に引き締められていたことに基づいて利上げ停止を決定」

「今後の理事会で金融政策を引き締める必要がある可能性を明確にすることが重要」

「将来の政策金利の決定は世界経済の動向や家計支出の傾向、インフレと労働市場の見通しに依存する」

「4月会合では利上げも検討」

 

18日10:45 内田日銀副総裁

「中銀が債務不履行になることはない」

「財務上で政策遂行能力が損なわれることはない」

「財務健全性に留意し、適切な政策運営で通貨信認の確保は可能」

 

18日11:11 植田日銀総裁

「国債購入は政府による財政資金調達を目的としない」

「国債買い入れは2%の物価安定目標を実現するため」

「共同声明の考え方は適切であり、直ちに見直す必要はない」

「国債償還ルール見直しの場合の影響は、予め想定は難しい」

「国債購入は、政府による財政資金調達を目的としない」

18日15:43

「物価・賃金の上昇で良い芽が出始めている」

「時間はかかるが、物価安定目標に近づいている」

「物価目標達成ならば、企業や家計は生産性向上の努力が可能になる」

「人への投資で成長力が高まり、果実として賃上げが重要」

「持続的な賃上げが日本経済にとってプラスになる」

「政府との意見交換を密にして、適切な政策を追求する」

 

18日16:18 中国外務省報道官

「G7外相声明は中国を中傷している」

「一連の発言は傲慢と偏見を示している」

 

18日22:17 ブラード米セントルイス連銀総裁

「制限的な政策金利は5.5%から5.75%の範囲と見込む」

「インフレ率の明確な進展が見られないことは、金利が上昇し続ける必要があることを意味する」

「広範な問題を引き起こす銀行ストレスのリスクは減少したようだ」

 

19日00:11 ボスティック米アトランタ連銀総裁

「あと1回の利上げを予想」

「インフレ率は高すぎる」

「金融政策にはまだやるべきことがある」

「基本的な見方は、次の利上げ後に金利を据え置くこと」

「利上げが終了すれば、FRBはかなりの期間、金利水準を維持すると予想」

「インフレ率が目標値に戻るにはしばらく時間がかかるだろう」

 

19日00:20 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト

「ECBは5月に利上げすべき」

「5月の利上げ幅についてはまだコミットしない」

「ユーロ圏経済はリセッションに陥らないだろう」

 

19日01:12 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁

「インフレ率はさらなる低下が予想される」

「これまでの政策金利の引き上げは効果を発揮し、需要を抑制」

「インフレ率が2%の目標に完全に戻るのは2024年末と予想」

「インフレ予測に関するリスクはおおむね均衡しているが、上振れリスクを懸念」

「需要が強すぎるため、弱い成長が必要」

「失業率が上昇して需要が鈍化する必要がある」

※時間は日本時間


〔日足一目均衡表分析〕

ドル円=雲を再び上抜くことできるが見定めたい

小陰線引け。一時134.71円と、一目均衡表・雲の上限を上回った。しかし、明確な雲の上抜けを果たせずやや押し返され、134.12円でNYの取引を終えている。

本日は133.80円付近で推移している5日移動平均線を維持して底堅さを確認した上で、134.46円へ若干低下した雲のの上限を再び上抜くことができるか見定める局面。一方、5日線を下抜けるようであれば、日足一目均衡表・転換線133.12円を試すことになるだろう。

レジスタンス1      134.71(4/18高値

前日終値                        134.12

サポート1                       133.63(4/17安値

サポート2                       133.12(日足一目均衡表・転換線

 

<ユーロドル=転換線を支えとした高値更新を期待

陽線引け。1.09ドル付近で上昇中の21日移動平均線を上回る水準で底堅さを示し、いったん割り込んだ一目均衡表・転換線1.0954ドルを回復してNYを引けている。上昇傾向の転換線とともに、さらに戻すことができるが注視したい。同線に押し上げられるような高値更新が期待できる。

レジスタンス1      1.1020(ピボット・レジスタンス2)

前日終値                        1.0972

サポート1                       1.0902(21日移動平均線

 

ユーロ円高値圏での振れに注意

小陽線引け。17日に147.45円まで年初来高値を更新したところからは、高値もみ合いとなっている。146.94円前後へ切り上がって推移する5日移動平均線を下抜けての調整が警戒される状態。次に下支えとなりそうな主だった日足テクニカル指標となる一目均衡表・転換線145.52円から少しかい離している。上値をうかがう一方、伸び悩みから深押しするリスクも視野に入れて臨むべきだろう。

レジスタンス1      147.45(4/17高値=年初来高値)

前日終値                        147.16

サポート1                       146.67(4/17安値

 

豪ドル円雲のねじれ付近で動意が不安定になりやすそう

小陽線引け。一目均衡表・雲のねじれに差し掛かったところでやや動きが重かったものの、昨日はどうにか雲の上限90.20円をわずかに上回ってNYを引けることができた。ただ、緩やかに低下していく雲の上限付近でまだ方向性がはっきりしない。雲を抜けた水準で上向きの流れが強まることを期待するが、下振れ局面などを挟む不安定な動意になりやすいとみる。

レジスタンス1      90.92(3/8高値)

前日終値                        90.23

サポート1                       89.70(ピボット・サポート2

 

 

chart 1

chart 2
  情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

 

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