【本日の東京為替見通し】ドル円 一目雲の上限を睨んだ動きか、週後半には重要イベント控える

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【前日の為替概況】ドル円、小幅続落 米10年債利回り3.49%台まで低下

21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅続落。終値は134.16円と前営業日NY終値(134.24円)と比べて8銭程度のドル安水準だった。米10年債利回りが3.49%台まで低下したことを受けて円買い・ドル売りが先行。2230分過ぎに一時133.55円と日通し安値を付けた。

ただ、4月米製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことが伝わると一転ドル買いが優勢に。米10年債利回りが3.57%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時134.49円まで値を上げた。

もっとも、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。一目均衡表雲の上限が位置する134.30円を超えた水準では戻り売りなども出やすく、5時前には134.07円付近まで下押しした。

ユーロドルは続伸。終値は1.0986ドルと前営業日NY終値(1.0970ドル)と比べて0.0016ドル程度のユーロ高水準だった。4月米PMIの上振れをきっかけに全般ドル買いが先行すると一時1.0943ドル付近まで下押ししたものの、アジア時間に付けた日通し安値1.0938ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続観測を背景にユーロ買い・ドル売りも入りやすく、引けにかけては1.0993ドル付近まで強含んだ。

ユーロ円は小反発。終値は147.40円と前営業日NY終値(147.27円)と比べて13銭程度のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた買いが入ったあとは、ユーロドルの持ち直しに伴って一時147.57円と日通し高値を更新した。その後の下押しも147.20円付近にとどまった。

 

【本日の東京為替見通し】ドル円 一目雲の上限を睨んだ動きか、週後半には重要イベント控える

本日の東京為替市場でドル円は、134円前半で低下傾向の日足一目均衡表・雲の上限を睨みながら方向感を探る展開か。今週後半に控える米GDPやインフレ指標、日銀の金融政策発表などの重要イベントを見極めたいという雰囲気が広がりつつある。なお一部報道によれば、日銀は長期的な視点から「金融緩和策の点検・検証を実施する方向」で調整に入ったという。

前述した一目・雲の上限は先週後半の134.30円台から本日は134.23円まで水準を下げ、明後日には134.00円まで低下する見込み。その後も132円台まで下降して幅を狭めた雲は、FOMC結果が公表される53日には先行スパン12が同値となる。

先週のドル円は強弱入り混じる米経済指標を受けて、134円台を中心に上下が続いた。週間値幅(安値-高値)は158銭に留まり、週としては年初来で最小。昨年4月以降をみると、週間レンジで2円より狭かったのは6週のみだ。それらの翌週は平均で340銭程度まで値幅を拡大しているため、動意の強まりに期待したい。

なお米国では、米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控え、金融当局者の政策に関する発言が禁止された「ブラックアウト期間」に入った。そのためイベント前の週前半から半ばは手掛かり難となりそうだが、市場のリスクセンチメントに影響しそうなのが同国の主要企業の四半期決算か。

気になるのは、米国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が上昇基調だということ。債務不履行に備える保証率(保険料)は、足もとで5年債CDSが約50ベーシスポイント(bp)と約11年ぶりの高い水準。それより上げが顕著(債務不履行リスクへの警戒高)なのが1年債CDSであり、105bpを超えて過去最高水準に達している。

米債務上限問題への懸念が米債CDS上昇の要因。共和党のマッカーシー米下院議長は今週にも上限引き上げ法案が下院を通過すると述べており、その動向は気にかけておく必要がありそうだ。

 

【本日の重要指標】

※時刻表示は日本時間

<国内>

特になし

 

<海外>

14:003月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比5.6%)

16:30 ◎ ブイチッチクロアチア中銀総裁、講演

17:004月独Ifo企業景況感指数(予想:93.4

17:35 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演

18:00 ◎ パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演

 

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

 

【前日までの要人発言】

21日06:26 ボスティック米アトランタ連銀総裁

「インフレは高すぎる。FRBは2%に押し下げる必要」

 

21日08:51 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁

「多少の追加引き締めが必要となる可能性」

「十分に景気抑制的な水準となれば金利の維持を見込む」

 

21日09:18 ホークスビーNZ準備銀行(RBNZ)総裁補佐

「成長鈍化の初期症状が出ている」

「金融引き締めの効果がまだすべて出ているわけではない」

「インフレは高すぎで粘り強い」

 

21日16:24 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁

「さらなる金融政策の変更はデータ次第」

 

21日16:38 ビスコ・イタリア中銀総裁

「金利の設定には注意深くあるべき」

「会合ごとに決定する必要」

「幾分の金融安定リスクが見られる」

 

21日17:19 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁

「さらに金融政策を引き締める可能性」

「労働市場がインフレ圧力に寄与している」

 

21日18:57 マクルーフ・アイルランド中央銀行総裁

「利上げ休止の議論は時期尚早」

 

21日19:07 レーン・フィンランド銀行(中央銀行)総裁

「ユーロ圏のインフレ率はまだ高すぎる」

「景気抑制的な金融政策からの脱却を早めるべきではない」

 

※時間は日本時間


〔日足一目均衡表分析〕

ドル円=雲こなすのは転換線が雲を上抜ける局面か>

下影小陰線引け。一時133.55円と先週末14日以来、1週間ぶりの安値まで下落が先行した。しかし、一目均衡表・転換線133.58円を若干割り込んだ同水準から反発。134.49円まで上昇した。週終値は134.16円と、低下傾向の一目・雲の上限を下回っている。雲の上限は本日134.23円へ低下。雲上限の抵抗を明確にこなすのは、転換線が雲を上抜ける局面かもしれない。

レジスタンス2      135.13(4/19高値

レジスタンス1      134.534/19-21下落幅の61.8%戻し

前日終値                        134.16

サポート1                       133.58(日足一目均衡表・転換線

 

<ユーロドル=転換線の上伸につながるレンジ拡大を期待

下影小陽線引け。1.0938ドルへ弱含んだが、1.0965ドルへ上昇した一目均衡表・転換線に追随するように戻し、1.0986で週引け。本日1.0993ドルへさらに切り上がった転換線付近の底堅さを維持できるかどうか見定める局面となる。ただ、現状からすれば転換線は本日の水準で頭打ちとなる公算。転換線の切り上がりにつながるようなレンジ上限の拡大を期待するが、実現できなければ転換線と上昇傾向の一目・基準線に挟まれたレンジに当面はとどまることになるか。

レジスタンス1      1.10404/20-21下落幅の倍返し

前日終値                        1.0986

サポート1                       1.0917(4/19安値

 

ユーロ円転換線手前で切り返し、大きく崩れる展開回避

下影小陽線引け。146.41円まで下振れた。やや振れ幅があったものの、一目均衡表・転換線146.37円を目前に切り返し、147.40円へ戻して週の取引を終えている。転換線が支えとなり、相場が大きく崩れる展開は回避できた。週明けの転換線は146.82円まで上昇。支えとなるポイントが切り上がった。目先は底堅い動きが想定できる。ただ、転換線はやがて低下する見込み。次第に動意が不安定になってきそうだ。

レジスタンス1      147.86(4/19高値=年初来高値

前日終値                        147.40

サポート1                       146.82(日足一目均衡表・転換線

 

豪ドル円低下中の雲の下限は支えになりくそう

下影陰線引け。一目均衡表・転換線付近の攻防となっている。一目・雲の中で動きにくいようにも感じられるが、本日89.81円へ切り上がった転換線付近での底堅さが期待できる。ただ、転換線の動きに追随できなかった場合、89円半ばで低下している雲の下限がしっかりした支えになりにくいように見える点は気掛かり。89.16円前後で推移している21日移動平均線付近が下げ渋りのポイントになるとみる。

レジスタンス1      90.40ピボット・レジスタンス1

前日終値                        89.75

サポート1                       89.16(21日移動平均線

chart 1

chart 2
  情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社

 

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