英ポンド/米ドルは価格水準を維持、しかし英国経済の先行きは厳しいものに

Article By マーケットアナリスト

今朝の英ポンド/米ドルは、2日間の値下がりを経て買い手が入り、200日平均(1.2130ドル付近)を守って安値を脱した。しかし英国ではマクロリスクが増大していることから、この値上がりは一時的なものに終わる公算が高い。一方でドルも最近の取引で再び強さを見せている。

実際、英国は12月に最悪のタイミングで大規模な騒動に見舞われている。全英のさまざまな業界で、賃金や年金、雇用や契約条件をめぐる争議から、数百万人にのぼる労働者がストライキに入ろうとしているのだ。その中には鉄道職員、バス運転手、看護師、公務員、郵便職員が含まれる。ストライキはクリスマスの直前に予定されていることから、すでに弱体化している英国経済へのかなりの打撃となるだろう。

英国のサービス業および製造業PMIは縮小を示す50.0未満にとどまっており、労働争議は経済活動へのさらなる足かせにしかならない。先日発表された建設業PMI11月には大きく低下し、拡大水準にかろうじてとどまっているという状態だ。53.0という予想を大きく下回る50.4で、10月の53.2から明らかに低下している。そして今日、今度は住宅市場からさらに憂鬱なニュースが入ってきた。11月のハリファックス住宅価格指数が前月比2.3%という大幅な下落をつけ、年率は先月の8.2%から+4.7%へと下落した。



一方、太平洋の向こう側の米国経済は比較的好調を保っている。予想を上回る最近の好調なマクロ指標から、投資家の間ではドルを買う動きが見られる。FRBのパウエル議長がタカ派姿勢を予想以上にゆるめたことから、ドルは先週さらに下落したものの、現在では好調なデータからFOMCが金利の引き締めを続け、利上げの停止までに利率が5%を超えるという見方が固まりつつある。

いずれにせよ、英ポンド/米ドルでは値下がりへの圧力が再び強まるリスクがある。1日の終値が200日平均を割るかどうかが分かれ目となるだろう。もしそうなれば、さらなる値下がりに注意が必要だ。

 

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