ユーロ円は息切れ

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6月6日

国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
高野 貴義

<ドル円>
5日のドル円は米経済指標の悪化を受けて、半年ぶりとなる107.81まで下落。この日発表された米5月ADP民間雇用統計が+2.7万人と事前予想の+18.0万人を大きく下回り、2010年3月以来9年2カ月ぶりの小幅な伸びにとどまったことが影響した。その後、発表された米5月ISM非製造業総合指数が改善したことを受けて108.47まで切り返したものの、高値を維持できず108円ちょうど付近まで押し戻されることとなった。チャートを見ると、実線は節目108円を挟んだ攻防を継続。108円よりも下の水準が常態化した場合は5月13日安値(109.01)からのV計算値(107.36)まで下値余地が広がることになります。切り返しが入った場合でも、5日の高値(108.47)までにとどまると考えます。週末に予定されている米5月雇用統計まではポジション調整が中心の取引となりそうです。
本日の予想レンジ107.90~108.60

<ユーロ円>
5日のユーロ円は前日の流れを引き継ぎ122.26まで上昇。先月31日の急落に対するテクニカル的な戻りがユーロの切り返しにつながった。チャートを見ると、実線は4月後半以降、上値抵抗として機能している20日移動平均線(122.24)までの戻しに成功。ただ、高値を維持できず、直近の上値抵抗になっていた日足均衡表の転換線(121.73)まで押し戻されており、上値を追う展開ではないと考えます。本日は欧州中銀(ECB)の政策決定会合が予定されています。4日-5日に発表された欧州経済指標は下振れしており、ECBの発表内容次第では、再び6月30日安値(120.77)まで押し込まれる可能性もあるため注意が必要です。
本日の予想レンジ121.30~122.30

<豪ドル円>
5日の豪ドル円は行って来い。75円台半ば水準から75.89まで上昇したものの、75.39まで押し戻されて取引を終えた。この日発表された豪1-3月国内総生産(GDP)は前年比で+1.8%と10年ぶりの低い伸びにとどまったが、事前予想通りの結果ということでマーケットの反応は限定的だった。チャートを見ると、実線は20日移動平均線(75.65)の下で推移しており、この水準を終値ベースで抜けてくるまでは基調は弱いままだと考えます。
本日の予想レンジ75.30~75.70


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