
火曜日のテクニカル分析にようこそ。この週次レポートシリーズでは、テクニカル分析の愛好者にもトレーダーにも役立つ注目のマーケットを紹介する。
今週のレポートでは、ナスダック、米国10年物国債利回り、WTI原油、そして「グッピー」ことポンド/円の通貨ペアを取り上げる。誰もが楽しめる内容だ。
- ナスダックは下落して主要サポートラインを試す展開、一方米国債利回りは上昇
- WTI原油価格は滑りやすいスロープに入る
- ポンド/円はブレイクアウト
ナスダックは下落して主要サポートラインを試す展開、一方米国債利回りは上昇
米国債利回りはここ数週間で再度上昇しており、ゼロ金利の金や銀を弱体化させ、さらに米国の低配当利回り銘柄を圧迫している。今日発表された米国のPMIデータも予想を上回ったことから、国債利回りはさらに上昇し、逆説的に株式市場は上値の重い展開となっている。
FOMCの政策担当者はここ数週間でふたたび、利上げペースの引き上げと長期化についてより積極的な発言を見せている。労働市場が逼迫しており、また先週のCPIとPPIのサプライズをはじめとしてインフレ関連データが予想を上回っているためだ。FOMCのメスター氏とブラード氏は木曜日に特にタカ派的な姿勢を見せ、より積極的他50bpの利上げを実施するという見通しを示したが、これは必ずしも決定事項として考える必要はないだろう。金曜にはFOMCのバーキン氏とボウマン氏からさらにタカ派的発言が出てきた。実際には他のFOMC委員と異なる発言をしていたわけではないが、ドルの強気筋は金曜の値下がり時に買いを入れることにした。
しかし新しい週の始まりは低調で、主な指数はいずれも金曜の値上がりを帳消しにして下落している。
この値下がりに乗じた買い手が再び現れるか、あるいは潮目が変わるのか?本記事の執筆時点では、ナスダックは1.3%値下がりして、日足チャート上の主要サポートエリアに入っている。
出典: StoneX、TradingView.com
ご覧のとおり、この12,100~12,200のエリアは過去のレジスタンスラインだったが、今月初めに見られた強気のブレイクアウトが確かなものとなるには、今はここがサポートラインとして維持される必要がある。ここを割り込むと、ナスダック価格は200日平均まで、またはそれ以上に下落する可能性がある。ブレイクアウト前の最後の安値である11,818まで値下がりしたら、弱気相場に入ったと判断していいだろう。それまでは判断を保留する。
ナスダック、そして金などの市場の次の流れは、国債利回りがどこまで上昇するかで変わる可能性がある。本記事の執筆時点で、米国10年物国債の利回りは12月のピークである3.905%を超え、現在のセッションの高値を試している。このエリアを明確に超えれば強気相場に入り、ナスダック株などのリスク資産は弱気相場に入るかもしれない。とはいえ利回りが金曜日の安値である3.815%を下回った場合、株式市場の強気筋にとっては望み通りの展開になるだろう。
出典: StoneX、TradingView.com
ポンド/円はブレイクアウト
ポンドは今日もっとも強さを見せている通貨のひとつであり、逆に円はもっとも弱くなっている。今朝の英国PMIの発表後、ポンド/円は162円付近の主要レジスタンスラインを突破した。日銀の新総裁が、現在の日本の金融緩和政策に大きな変更はしないと示唆したことから、ここ数週間で日本円ペアはロング有利の流れに入っている。
162.00円を超えるブレイクアウト後もポンド/円は値上がりを続け、200日平均にあたる163.30円付近に到達したところで一息ついている。今後数日で165円を上回る可能性はあるだろうか?
これから162.00円付近(具体的には162.20円~161.75円)のブレイクアウトエリアまでのリトレースメントが起きれば、強気筋はこの地盤を固める必要がある。
今週の安値を割り込めばブレイクアウトが帳消しになり、弱気筋の参入の根拠になるが、それがない限りは強気筋に有利な展開だろう。
出典: StoneX、TradingView.com
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