
10月の米国小売売上高は前月比+1.3%で、前月比+1%という予想、および9月の前年比0%を上回り、2月以来の最高値をつけた。 これに加えて自動車分野を除いた小売売上高も前月比+1.3%に上昇。予想は前月比+0.4%で、9月は前月比わずか+0.1%にとどまっていた。 つまり自動車分野だけではなく経済の他の分野でも売り上げが好調だということになる。 ウォルマートは昨日、第3四半期の売り上げ予想を上回る業績を発表した。加えて在庫も減り、今後のショッピングシーズンに向けて売り上げの増加が見込まれることから、望ましくない在庫はわずか10億ドル相当にとどまるとした。一方ターゲットの発表した業績はほぼ真逆で、第3四半期の1株当たり利益(EPS)は予想を劇的に下回る結果となった。市場のコンセンサスとなっていた2.19ドルに対し、同社が発表したEPSはわずか1.54ドル。ターゲットのCEOは「この四半期の後半、売り上げと利益の上昇トレンドは明らかに鈍った。インフレ、利上げ、経済的不安定の影響がお客様の購買行動に大きな影響を及ぼしつつある」と述べた。さらに同社はホリデーシーズンに向けた第4四半期の業績の見通しも下方修正している。10月の小売売上高の好調を踏まえると、ターゲットの問題は消費者の基本的な購買力ではなく、むしろ同社の在庫管理にあると結論づけてもよいかもしれない。
ターゲットの株価は、2021年11月15日の史上最高額である268.98ドルから劇的な下落を見せている。5月17日に第1四半期の売り上げが発表された後、同社の株価は215.28ドルから163.07ドルに下落した。 6月30日には今年に入ってから当時の時点での最低価格となる137.26ドルをつけ、その後4月21日の高値から6月 30日の安値までの38.2%のフィボナッチリトレースメントレベルをたどり、182.13ドル付近まで回復していた。 しかし今日の業績不振の発表を受け、株価は前日の終値である178.98ドルからなんと149.85ドルまで急落。 サポートラインは6月30日の安値である137.16ドルだが、レジスタンスラインは176.90ドルでギャップが埋まるまでは見られない。
出典: Tradingview、Stone X
全体として、米ドルには好調な小売売上高を受けた大きな動きは見られなかった。 米ドル指数はわずかに下落しており、最近の売り傾向が続いたまま3月31日の安値から9月28の高値までの50%リトレースメントにあたる106.23付近に向かっている。 このまま下落が続けば、サポートラインは2021年5月にさかのぼる上向きのトレンドライン(緑の線)上の105.00、その後は8月11日の安値からの水平サポートラインである104.65となる。 そこを割ると、先述の期間の61.8%のフィボナッチリトレースメントレベルにあたる104.22まで下落する可能性がある。 しかしもし反発すれば、レジスタンスラインは直近の安値である107.59以上になるだろう。 そこを抜ければ、短期的なトレンドチャネルの下端にあたる109.02付近、その後は水平レジスタンスラインの109.27付近で値上がりがひと段落すると思われる。
出典: Tradingview、Stone X
10月の米国小売売上高は予想を大きく上回り、ウォルマートの発表はホリデーシーズンを通じてこの好調が続くことを示唆している。一方、ターゲットは売り上げを逃し、第4四半期の業績見通しを下方修正した。 実態を反映しているのはどちらだろうか? 「アメリカの消費者を過小評価してはいけない」としばしば言われることがある。 もしそれが事実なら、ホリデーシーズンの経済は好調となるはずだ。
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