
米ドル/円の概況
米ドル/円は、米国で予想を上回る経済データが相次いで発表されたことを受け、今年の高値(140.73円)を記録つけた。相対力指数(RSI)が70を超えたことで、昨年の値動きのように為替相場がさらに上昇する可能性が高い。
米ドル/円見通し:RSIが2023年初めて買われすぎの領域に
米ドル/円は、今月の安値(133.50ドル)を試して失敗した後、上昇チャンネルの内側で取引されている様子だ。個人消費支出(PCE)価格指数が粘り強いインフレを示していることから、連邦準備制度が再度利上げを実施するという思惑が高まっており、これが価格を浮上させている。
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FRBが重視するインフレ指標であるコアPCEが予想外に上昇したことに加え、米国の耐久財受注が1.1%増加したことで、連邦公開市場委員会(FOMC)がさらなる利上げサイクルに乗り出す可能性出てきた。次回の6月の会合で経済予測サマリー(SEP)が更新される予定だが、パウエル議長と仲間たちが米国のより高い利上げを見込んでいるかどうかはまだ未知数である。
出典: CME
それまでの間、FRBの政策を巡る思惑が米ドル/円の価格を左右する可能性がある。CME FedWatchツールでは25bpの追加利上げの確率は60%以上となっている。日本銀行がイールドカーブコントロール(YCC)による量的・質的緩和(QQE)に固執していることから、米国金利上昇への期待の高まりは為替レートのさらなる上昇を導くかもしれない。
とはいえ、相対力指数(RSI)が70を超える動きとなったことで、米ドル/円は昨年の値動きに似た形でさらに上昇する可能性が高い。チャンネル内のレジスタンスラインを上抜けしつつあるように見えることから、今後数日間はより高値圏での高値と安値がつくかもしれない。
日本円価格チャート– 米ドル/円日足
チャート作成:ストラテジスト、David Song。 TradingViewの米ドル/円チャート
・米ドル/円は、今月の安値(133.50ドル)を試して失敗した後、上昇チャネルの内側で取引されているように見える。最近の値上がりによって、相対力指数(RSI)は今年初めて買われ過ぎの領域に入った。
・RSIが70を超えると、米ドル/円は昨年の値動きに似た形でさらに上昇する可能性が高い。チャネルのレジスタンスラインを上抜けすれば、141.50円(38.2%のフィボナッチエクステンション)に向かうことが考えられる。
・次の注目エリアは2022年11月の高値(148.83ドル)付近となるが、最近の一連の高値と安値の上昇を維持できなければ、米ドル/円では短期的な揺り戻しが起きる可能性がある。138.70円(78.6%のフィボナッチエクステンション)~140.00円(23.6%のフィボナッチリトレースメント)のエリアを下回ると、200日間移動平均 (137.23円)が再び視野に入ってくる。
追加資料:
豪ドル/米ドルは3月の安値を割り込み、11月の安値が視野に
米ドル/カナダドルは徐々に50日間移動平均を超え、月の高値を目指す
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