
米ドル/円の見通し
先週の安値(133.75円)からの反転から、米ドル/円は引き続きより高値圏での高値と安値をつけている。これから米国で発表される経済データも、小売売上では米国の家計支出の上昇が予想されていることから、米ドル/円価格の維持につながる可能性がある。
米ドル/円は月の安値を前に反転、200日間移動平均が視野に
米ドル/円は月の安値(133.50円)を前に反転し、200日間移動平均(137.04円)に向かっている。米国国債利回りの上昇を追っているように見えることから、月の高値(137.78ドル)を試す展開になるかもしれない。
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それと同時に、米小売売上高の最新のデータが米ドル/円を揺さぶる可能性がある。民間セクターの支出は前月0.6%縮小した後、4月は0.7%上昇すると予想されているためだ。不況が迫っている兆候はほとんどなく、労働市場もひっ迫していることから、FRBがさらにインフレ抑制を進める可能性がある。一方、インフレが持続した場合には「利下げは適切ではない」とパウエル議長が警告していることから、FRBの当局者は2023年中の利下げの観測を後退させる可能性がある。最新の経済予測サマリー(SEP)の公表が予定されている6月14日の次回の金利決定で、連邦公開市場委員会(FOMC)がフォワードガイダンスを調整するかどうかはまだ不明だ。
その上で、FOMCと日銀の間の路線の違いが米ドル/円価格を支えるかもしれない。植田和男総裁と日銀は質的・量的緩和(QQE)とイールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃を急いでいないように見えるからだ。しかし200日間移動平均 (137.04円)を上回るのに苦労すれば、5月最初のレンジ内での取引が続く可能性がある。
日本円価格チャート-米ドル/円日足
チャート作成:ストラテジスト、 David Song
米ドル/円は月の安値(133.50円)から反転して50日間移動平均(133.74円)より上を維持し、先週からは一連の高値と安値をより高値圏で更新しつつ、200日間移動平均(137.04円)に接近している。
・ 長期的な移動平均を上回った場合、月の高値(137.78円)を試す可能性が高まる。年内の高値(137.91円)を上回った場合には、138.70円(78.6%のフィボナッチエクステンション)~140.00円(23.6%のフィボナッチリトレースメント)の領域が視野に入ってくる。
・しかし、長期的な移動平均を上抜けできなければ、米ドル/円は5月のオープニングレンジ内に留まる可能性がある。136.00円(23.6%のフィボナッチエクステンション)を割り込めば、132.60円(38.2%のフィボナッチリトレースメント)~133.90円(23.6%のフィボナッチリトレースメント)の領域がふたたび焦点になるだろう。
補足資料:
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