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成功するトレーダーのテクニック

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急変するマーケットを味方に!プロの4つの方法

所要読了時間 3分

高いボラティリティ、つまり急激な価格変動の発生は、マーケットに参加していれば誰でも遅かれ早かれ直面する「現実」です。このガイドでは、マーケットが大きく動く局面でどうリスクを管理し勝ち抜いていくかについてのヒントを提供します。

1. 線を結んでトレンドを読む

相場のトレンドを読んで取引するなら、方法は簡単。線を2本引いてみれば、トレンドが浮かび上がってきます。一般的に、価格の動きがサポートラインに近づいたら反発して上がる予測をし、レジスタンスライン付近まで来たら、一旦戻して下落する動きに備えます。強気・弱気の方向性の見えているトレンド相場の大きな特徴は、どんな時間枠のチャートでもポイントを定めやすいことです。2分足チャートでも、2時間足チャートのようにトレンドを形で見ることができるのです。

trading volatility chart 1

たった2本のラインを引くだけ、とても簡単です。ただ残念なことに、何pip上昇や下落が見込まれるかを読むのはやはり難しく、何よりも経験が必要とされる領域です。
いずれにしても、まず線を引いてみることで、たとえビギナートレーダーでもチャンスやリスクがどこにありうるかを読むことができるのです。

2. 「突破」(ブレイクアウト)を狙う

好むと好まざるにかかわらず、トレーダーは群れのように行動しています。時にレジスタンスレベル・サポートレベルを破って価格が大きく動くことがありますが、これはすでに大変多くのトレーダーに認識されており、このためキーとなるレベルの周辺で多くの逆指値注文が出されているのです。

マーケットの反転の瞬間を予測しようとするのは難しいですが、その代わりにレジスタンスレベル・サポートレベルからの「突破」(ブレイクアウト)を狙ってトレードするという戦略があります。

ポイントは、チャンスを狙うレベルを見定めること。そして、大きな突破に備えた範囲で指値・逆指値注文を出しておくことです。狙ったレベルに価格が達する前に、注文を出し揃えておくことが重要です。このような戦略では、日に100pips近く動く通貨ペアにして15-20pipsを狙いに行くような程度の場合もありますが、その動きが速いペースで発生すると、狙いがいのあるチャンスとなります。ブレイクアウトは、その期待が高まっても実現することはなかなかなく、発生する時は突然大きく動くため注意しておくことが必要ですが、魅力的なチャンスとなる可能性を十分に秘めています。

trading volatility chart 2

3. 予想から戦略へ

経済指標発表の周辺での取引は、エキサイティングでもあり、またしばしば衝動的にもなりえます。ただ、発表の後にはマーケットが大きく動く可能性があり、実はニュースや指標発表のみを判断材料として取引をするのはリスクが大きい方法なのです。指標発表に際しては、事前にしっかりと準備しておくことが重要です。

まず、指標発表を勝ち抜くためには、注文を「事前に」出しておくことが不可欠です。事前によく情報を集め、テクニカルでも想定パターンをいくつも持っておき、まずは発表前にマーケットがどのような動きを見せるかを予測します。そして、マーケットがどちらの方向に動いていくかについても分析します。

さて、どのような月でも最もマーケットの動きに影響を与えうるイベント、米国雇用統計(非農業部門就業者数)を例に挙げてみましょう。一般的に、ドル円(USD/JPY)は米国の主要な経済指標発表の内容を反映しやすいといわれており、米国にとって悪い内容であればドル円は下がり、良い内容の発表であればドル円も上がる傾向にあります。

雇用統計のような指標発表についての予測レポートが、様々なマーケットアナリストから発表されます。これらのレポートにはマーケットの動きがすでに織り込まれている可能性があり、大変重要です。もし予測レポートと発表内容が近い場合は、マーケットがそれほど大きく動かない可能性が高く、逆に実際の発表内容が予測から大きく異なる場合は大きな価格変動の可能性が高くなります。事前に情報収集し、予測を整理しておくことが重要です。

米国雇用統計(非農業部門就業者数)自体の発表に先立って、他にも米国の雇用情勢を表す様々な経済指標が発表されており、予測に役立てることができます。この事前発表の指標の傾向をまとめ、前回までの実際の影響度を勘案することで、実際の雇用統計発表に関する単なる「予想」を確たる数々の根拠を伴った「戦略」にすることができるのです。

LEADING EVENT CURRENT RELEASE PREVIOUS RELEASE GOOD OR BAD FOR NFP?
ADP Employment Change 175k 227k Bad
Initial Jobless Claims 4-Week Moving Average 333k 357.25K Good
Continuing Jobless Claims 2.991M 2.833M Bad
Challenger Job Cuts 45,107 30,623 Bad
ISM Manufacturing PMI Employment Subcomponent 52.3 56.5 Bad
Markit Manufacturing PMI Employment Subcomponent 53.2 54.0 Bad
Markit Services PMI Employment Subcomponent 54.1 55.2 Bad
SM Non-Manufacturing PMI Employment Subcomponent 56.4 55.6 Good
Chicago PMI Employment Subcomponent Weakened for 2nd straignt month Lowest since April 2013 Bad
Chicago PMI Employment Subcomponent 60.7 55.1 Good
Overall Bad

下記の例では、様々な根拠に基づいて悪い予想が立てられたため、発表前にドル円を売るという結論に至りました。もちろん、予想が外れた場合でも口座の資金を守るということが最重要なため、逆指値も指値も両方出しておくことが不可欠です。下のチャートで見えるように、発表される指標が悪いと予想したのは非常に良い見立てであったといえます。

trading volatility chart 3

この予測手法は、雇用統計にのみあてはまるものではありません。たとえば、消費者信頼感指数のデータを用いて米国小売売上高を予測したり、インフレ関連のデータから中央銀行の金融政策決定のトーンを事前におしはかるなど、可能性は無限です。

4. ギャップを埋める

毎週米国東部標準時(ニューヨーク時間)金曜日の午後5時、つまり日本時間では土曜日の朝にFXマーケットはクローズしますが、チャート上で何も動きがないのは実は錯覚で、マーケットは週末も事実上動いているのです。価格というものは、たとえマーケットがクローズしていても、世界中で起こっていることの影響を受けて常に見直されているのです。この週末の動きは週明けのマーケットオープンまでは見ることができず、マーケットオープン時に大きく離れたところから価格が付くことがあります。これを「マーケットギャップ」、もしくは「窓開き」といいます。

毎週末このチャンスをうかがい、取引するというのもボラティリティの高い状況を取引するとてもシンプルな手法のひとつです。他のトレーディング戦略と同じく、毎回効果が出るとは限らないため、指値・逆指値注文を合理的な範囲に設定しておくことが必要です。

たとえば、週末マーケットがクローズしている時に中国当局があるデータの発表をし、それが大方の予想よりも大きい縮小を示したものだったとします。通常市場はこのような発表に対し、中国との貿易に大きく依存している国々の通貨の下落という形で反応します。最も影響の大きいのは豪ドルです。しかしこの時点でマーケットはクローズしており、実際の値動きが見えるようになるのは米国東部標準時(ニューヨーク時間)日曜日の午後5時、つまり日本時間で月曜日の朝です。

この結果、マーケットギャップが発生します。「窓」といわれるとおり、チャートのある価格から全く関連のなさそうな別の価格に、空間を作ったようにジャンプしています。やがて、まるでタイミングを見計らったかのように、マーケットが前週末の価格のレベルまで戻すことがあります。これを「ギャップを埋める」「窓が閉じる」というように言います。

trading volatility chart 4

おわりに

以上ご紹介したとおり、マーケットにはたくさんの取引のチャンスが潜んでいます。もちろんこれらの手法にはメリットもある一方で、大きな損失の可能性もあります。
取引の楽しさが無謀さにつながらないようにリスク管理を常に念頭に置きながら、長期的な投資の成功のための戦略を身につけていきましょう。

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知識確認テスト

7月の米失業保険申請件数が予想を上回ったとすると、これは、米非農業部門雇用者数 が高水準となる要因か、または低水準となる要因でしょうか?
  • A 高水準
  • B 低水準
  • C どちらでもない
Correct Incorrect もう一度試す 低水準(失業保険申請件数が多ければ、失業手当を請求する人が増えるということでなので、米非農業部門雇用者数が悪化する一つの要因となります。) 次の質問へ
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