オーストラリアドルは外国為替市場で取引量の多い通貨です。1 注目される背景として、同国の豊富な輸出資源と、主要な貿易国としての地位、そして相対的に金利差が意識される局面もある点などが挙げられます。(ただし、為替相場は複数要因で変動します)。
当社FOREX.com取扱商品では、オーストラリアドルを含む通貨ペアの取引が可能です。
※取引にはリスクがあります。商品概要・費用・リスクを確認のうえ、ご自身の判断でご検討ください。
オーストラリアの経済
オーストラリアはオセアニアで最大国土面積を持つ規模の国ですが、2 経済規模では2024年の国内総生産(GDP)で世界14位と、規模は中位に位置づけられます。(出所:IMF2024年世界GDP)
同国の中央銀行はオーストラリア準備銀行(RBA)で、ここが通貨発行量と利率を監督・調整しています。金利水準は国内外の経済・インフレ環境により変動します。
オーストラリアの経済は主に天然資源、エネルギー、食品が主要な産業分野の一部を構成しています。オーストラリアのコモディティの多様さと豊富さを背景に、海外からの投資が行われています。また、石炭、鉄、銅、金、天然ガス、再生エネルギーの埋蔵量が豊富なことから、海外企業の投資や事業参加がみられることがあります。輸出に頼る国であることから、一般的に、条件次第では、交易条件や企業収益を通じてオーストラリア経済に影響する場合があります。
オーストラリアドルの価格変動要因
オーストラリアドルの価格は資源価格や世界景気、リスクセンチメントなどの影響を受けやすく、局面によっては値動きが大きくなりボラティリティが高くなる場合もありえます。オーストラリアドルの価格変動の要因は以下の通りです。
- ・コモディティ:ほとんどの先進国経済圏の通貨は、主に各国間の貿易関係により互いに連動しています。しかし、オーストラリアの経済はコモディティ(金属と穀物)に大きく依存しており、同国の通貨価格はコモディティの価格と関連が指摘されることがありますが、必ずしも同じ方向に動くとは限らず、複数要因で変動します。つまり作物の植え付け、天候、収穫高、鉱業の産出量、および金属価格など多くの要因によりオーストラリアドルの値動きに影響を及ぼす可能性があります。一般的にオーストラリア以外資源輸入国では、コモディティ価格が上がればコストが上がり、資源価格上昇がコスト要因となる場合があります。しかしオーストラリアのように資源輸出の割合が比較的高い国では、コモディティ価格の上昇が経済の支援材料となる局面がみられることがあります。
- ・貿易関係:地理的にアジアに近いこともあり、オーストラリアの輸出先はアジアが大半を占めています。一般的に、資源需要の動向やコモディティ価格の変化は、オーストラリアドルは中国、インド、日本経済に影響を与える場合があります。アジア地域の経済が拡大し、インフラへの支出が増えれば、オーストラリアドル価格へ影響を与える可能性があります。(ただし為替は複数要因で変動し、将来を保証しません)
- ・金利:他の通貨と同様、オーストラリアドルは金利の見通しの影響も受けます。このため金利の変更に関連するRBAのあらゆるコメントが、他の通貨に対する豪ドルの価値に影響を与える可能性があります。金利差が意識される局面では、豪ドルがキャリートレードの対象として取り上げられることがあります。金利見通しに関する中央銀行(RBA)の情報発信は、為替の材料の一つになり得ます。
オーストラリアドルの沿革
オーストラリアドルは1966年の2月に導入され、金ペッグ制、スターリングポンドとのペッグ制、ドルペッグ制、通貨バスケット制、移動ペッグと、おおよそ通貨で想定しうるあらゆる発展段階を経てきました。オーストラリアでは、経済環境や政策目的に応じて為替制度の見直しや変更が重ねられてきました。
1983年、ようやくオーストラリアドルは完全に変動通貨となり、ボブ・ホーク首相が率いる当時の政府はこの時、資本の国外移動制限を撤廃することを決めました。この決断はオーストラリアの経済開放を進める上での転換点となりました。
変動通貨への移行時、オーストラリア市場への投資の大部分は国内の小規模な銀行や企業によるものでした。しかし豪ドルが変動通貨になると海外の銀行が市場に参入し、オーストラリアドルは現在のように活発に取引される通貨へと急激に成長しました。
オーストラリアドルの主要通貨ペア
オーストラリアドルは、世界外国為替市場のなかでも流動性を強くもつ通貨のひとつとして、市場で広く取引されている通貨の一つです。特に資源輸出国としての経済背景や金利差、アジア市場との強い結びつきにより、豪ドルを含む通貨ペアは市場参加者の間で値動きが注目されることがあります。ここでは代表的なペアの特徴を紹介していきます。
豪ドル/米ドル
AUD/USD(豪ドル/米ドル)は外国為替市場でのオーストラリアドルと米ドルの両替レートを表す表記です。これは1オーストラリアドルの購入に何米ドルが必要かをリアルタイムに示すものです。
豪ドル/米ドルは世界で多く取引されている通貨ペアの一つです。市場環境によっては値動きが大きく高ボラティリティとなる場合があり、経済指標や金融政策への反応が注目されます。
オーストラリアのコモディティ産業は中国などアジア諸国の急速な経済成長を背景に、 2000年頃に大きく成長しました。それに伴い、オーストラリアの国際競争力は高まり、豪ドル/米ドルの取引高も増加しました。2000年以降も豪州(オーストラリア)のコモディティ産業は世界的な資源需要の高まりを背景に成長しています。 オーストラリアの貿易相手国として、両国の関係によってこの通貨ペアの取引への関心も高まっています。多くのトレーダーは、豪ドル/米ドルのペアをコモディティ市場とアジア市場全体に対する米国の関係を見極める市場分析の参考指標として言及されることがあります。
また、特にRBAが高い金利を維持し、米連邦公開市場委員会(FOMC)が金利を抑えている間は、2つの通貨の利率の差がキャリートレーダーの文脈で言及されることがあります。
豪ドル/円
AUD/JPY(豪ドル/円)は、日本円に対するオーストラリアドルの価格を表す外国為替市場での表記です。過去には市場環境によって、豪ドル/円はリスクが低い時期には上昇傾向で、リスクが高まり市場参加者が低リスクな投資対象を探している時には価格が下がる傾向にあると説明されることがありましたが、将来の値動きを示唆するものではありません。市場のリスクとの関係で価格が動くため、取引対象として取り上げられることがあります(将来の値動きを示唆するものではありません)。
オーストラリアと日本は非常に密接な貿易関係を築いています。日本はオーストラリアの主要な輸出相手国のひとつであり、3 2024年にはオーストラリアから日本への輸出額比率が14%を占めていました。(出所:外務省)豪ドルのほとんどのペアと同様、豪ドル/円はコモディティ価格の動きと密接な相関性があり、これは日本がオーストラリアから天然資源を輸入していることが背景にあります。
また、日本円と米ドルの強い関係により、豪ドル/円ペアは米国経済の変化にも敏感です。
英ポンド/豪ドル
英ポンド/豪ドルは英スターリング・ポンドとオーストラリアドルのペアで、1オーストラリアドルの購入に何ポンドが必要かを示します。
コモンウェルスによって、英国とオーストラリアは常にある程度つながりがあると思われていますが、実はこの2カ国の経済はそれぞれ非常に異なっています。英ポンドはオーストラリアドルに比べて相対的に取引量が比較的大きい通貨とされています。つまり英ポンドの方が市場参加者の取引動向による影響を受ける場合があります。
英ポンド/豪ドルのペアで取引する場合は、両レートに利率が大きく影響することにも注意が必要です。これは主に、2008年の金融危機によって英国の金利が何年もの間低く抑えられていた一方、オーストラリアはその影響が軽微だったことが背景にあります。このため英ポンド/豪ドルはキャリートレードに利用されることがあり、価格変動が大きくなる場合があります。
豪ドルの取引時間
オーストラリアドルは、週5日、ほぼ24時間取引されます。(具体的な時間帯は地域・夏冬時間などの要因により前後する場合があります。)
オーストラリアドルが活発になる取引時間帯は、通貨ペアによって、複数の市場セッションが重なる時間帯に取引量が増える傾向がみられる場合があります。原則として、どのペアも複数の取引セッションが重なっている時間帯に最も大きな動きを見せます。例えば、豪ドル/英ポンドのペアであれば、東京外国為替市場とロンドン外国為替市場のセッションが重なっている時間帯に取引が活発になります。
詳しくは、 FXの取引時間ページを参照ください。
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※取引口座開設の前に、価格変動リスク、コスト、証拠金の仕組み等を十分にご確認ください。
1 Austrade, 2021年
2 CIA World Factbook, 2024年
3 CIA World Factbook, 2023年