ドル/円見通し:円相場の方向感、なお定まらず 日本のインフレ統計に注目
今週の取引終了まであと数日となったが、ドル/円の値動きからは依然として短期的に明確な方向性の変化が見られない。過去2営業日の平均変動幅は約0.1%にとどまっている。
ドル/円・米ドル指数見通し:原油高、米長期金利の上昇、地政学リスクの高まりの中で意識される主要シナリオとは?
2026年9月8日 午前09:40
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ドル/円(USD/JPY)と米ドル指数(DXY)は、ともに重要なサポート水準に接近している。足元では短期的なドル安圧力が見られる一方で、長期的な上昇トレンドが維持される可能性も残されており、さらに構造的な下落トレンドへ転換するリスクとの間で市場の見方は分かれている。こうしたなか、複数の要因が両市場の値動きを大きくする可能性がある。
9月7日時点では、ファンダメンタルズとテクニカルの両面から、相場の方向性を左右する要因として地政学リスクが引き続き注目されている。足元ではドル安圧力がみられるものの、インフレや米国債利回りの上昇、地政学リスクの高まりが続く場合には、ドル高基調が再び強まる可能性もある。

米ドル指数は2026年の上昇トレンドラインを下抜けており、短期的には弱含みの動きが示唆されている。しかし、より長期的な視点では、依然として上方向の構造が維持されている。
下値の注目水準としては、2026年の上昇トレンドに対するフィボナッチ・リトレースメントの水準にあたる98.50、98.00、97.00、95.50が挙げられる。なかでも95.50は、18年にわたる上昇トレンドの構造的な崩れを示すか、それとも長期的な上昇トレンドが維持されるかを見極める重要な分岐点と考えられる。
一方で、上昇シナリオでは、米ドル指数が2026年の上昇トレンドライン付近である100.30を回復し、その後101.00および101.70を上抜けた場合、主要通貨に対するドルの強さが再び意識される可能性がある。こうした展開となれば、米ドル指数が2026年の最高値更新を試す動きにつながる可能性があり、円安への対応を迫られている日本当局にとっても注目すべき状況となるかもしれない。
また、米国と日本の金利差が今後も拡大する場合には、この状況がさらに重要性を増す可能性がある。
米ドル指数が100.30を回復した後、101.00および101.70を上抜けた場合、ドルの強さが再び意識される可能性がある。その場合、2026年の最高値更新を試す展開が視野に入る。
米ドル指数が98.50および98.00を下回った状態が続く場合、97.00や95.50に向けた下落リスクが高まる可能性がある。また、95.50を明確に下抜けた場合には、より大きな構造変化が示唆され、長期的な上昇トレンドに対する見方が変化する可能性がある。

テクニカル面では、ドル/円は3カ月間にわたって意識されてきたサポート水準を下抜けており、短期的な円高圧力を示唆している。一方で、2023年から続く上昇トレンドのサポートゾーンにも接近しており、重要な局面を迎えている。
2025年4月から2026年7月にかけて形成されたチャネルを下抜けたことで、短期的な弱含みの展開が示唆されている。この動きは、同期間の上昇に対するフィボナッチ・リトレースメントの水準とも整合している。
足元では、38.2%戻りの水準にあたる154.80を下抜ける動きが試されている。この水準を明確に下回る状態が続けば、50%戻りの水準にあたる152.00、その後は61.8%戻りに近い149.00付近が下値の目安として意識される可能性がある。
一方、149.00近辺は長期的な反発の可能性を探るうえで重要な価格帯となる可能性がある。この水準は、フィボナッチ比率の「黄金比」にあたる61.8%戻りの水準に加え、2023年から2026年にかけての上昇トレンドとも重なっており、売られ過ぎ感の強まりを示すモメンタム指標との整合性もみられる。
149.00を明確に下抜けた場合、より広範な構造的な弱さが確認され、ドル/円の下落がさらに進むリスクが高まる可能性がある。
149.00を上回る水準を維持できれば、長期的な上昇トレンドの構造は確保されそうだ。上値では、2026年の上昇トレンドの境界線にあたる158.40、161.00、164.00を回復した場合、ドル/円の上昇基調が再び意識され、その先はチャネル上限にあたる170.00付近が視野に入ろう。
短期的なドル安圧力、長期的なドル高再開の可能性、そして地政学リスクの高まりが、ドル/円と米ドル指数の見通しを左右する主な要因となっている。
今後の主な注目材料としては、米国の消費者物価指数(CPI)、9月17―18日の日銀金融政策決定会合、そして9月16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)が挙げられる。これらのイベントに加え、米国債利回りの動向や原油価格の方向性も重要な材料となるだろう。現在のドル安局面がより大きな下落トレンドへ発展するのか、それとも長期的な上昇トレンドの中の調整局面にとどまるのかを見極めるうえで、市場はこれらの要因に注目している。
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(9月7日付記事「USD/JPY, DXY Outlook: Short-Term Weakness, Long-Term Strength?」、StoneXマーケット・アナリストのRazan Hilal著)
今週の取引終了まであと数日となったが、ドル/円の値動きからは依然として短期的に明確な方向性の変化が見られない。過去2営業日の平均変動幅は約0.1%にとどまっている。
ドル/円は、介入リスクが高まり始める主要なレジスタンスゾーンに近づいている。次の動きが極めて重要となる可能性がある。
3週間前のドル/円相場では、急激な下落と予想外の2度にわたる為替介入が市場を驚かせた。しかし、米国のインフレ率が高止まりする一方で、日本のインフレ率は依然として低水準にあることから、ドル/円のファンダメンタルズ面での上昇基調は維持されている。相場が下押しするたびに押し目買いが入り、高値だけでなく安値も切り上がる展開が続いている。
こうした状況は、今後数週間にわたり、円安を進める市場参加者と、それをけん制する当局との攻防が続く可能性を示唆している。