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ドル/円見通し:円高、利回り曲線フラット化がシグナル

ドル/円の反落はこれまでの相関パターンを覆している。日本のイールドカーブが急速に平坦化し財政不安が後退する中、米国債利回りが上昇する局面でも円高が進んでいる。

ドル/円見通し:円高、利回り曲線フラット化がシグナル

目次

目次

    タイトルが見つかりません

•    日本の財政懸念の後退と円高が同時進行

•    2年物と30年物の利回り曲線の平坦化が主要なシグナルとして浮上

•    キャリートレードがドル/円の動きを増幅か

•   テクニカル面では 152.00と200日移動平均線が短期的な焦点に

何が起こっている?

本来なら起こりえない局面で円高が進行している。米国債利回りの上昇や堅調な米雇用統計もこの動きを抑制できず、日本の国債利回り曲線の動きと財政懸念の後退が、短期的にドル/円を動かす主な要因となっている。

選挙リスクから財政緩和へ

先週末に選挙を終えた日本市場では、食品の消費税率を8%からゼロにするという選挙公約を背景に、財政懸念が大きく影を落としていた。投資家は、政治的圧力により高市早苗首相がより積極的な財政姿勢を迫られる可能性を警戒していた。しかし高市氏は圧勝後の演説で、消費税の凍結は恒久的なものではなく一時的な措置であることを強調し、市場を落ち着かせようとした。衆院選での圧倒的な勝利は、恒久的な減税ではなく期限付きの減税を推進する余地を与えたのである。

このトーンの変化は債券市場で歓迎され、政府が1.4兆ドルの外貨準備から生じる剰余金を活用して歳入不足を補填するのでは、という憶測を呼んでいる。円安が剰余金を増やしてきたが、評価益を維持するには継続的な円安が必要となるため、持続可能な解決策とはなり得ないだろう。それでも短期的には、新たな債務供給に対するさらなる要因と見なされ、日本の財政見通しをめぐる懸念を和らげる一助となっている。

日本のイールドカーブが明確なシグナル発信

2年/10年債利回り格差  2時間足チャート 

2年/30年債利回り格差  2時間足チャート

出所:TradingView

市場はこれに反応し、その影響は日本のイールドカーブに最も顕著に現れた。高市首相が衆議院解散を表明した後、財政懸念が強まり、特に2年債と30年債の利回り価格差が広がり、急激なベア・スティープニングが発生した。これは、発行量増加への懸念から期間プレミアムが急騰したためである。当初のフラット化の動きは、日銀による債券買い入れ増額への期待によって支えられたが、選挙後はファンダメンタルな要因への注目度が上がっている。財政リスクが後退するなか、2年債と30年債の利回り格差は高値から50ベーシスポイント以上縮小した。

不利なマクロ環境でも、円は上昇

ドル/円  1 時間足チャート

出所:TradingView

このブル・フラット化が、今週も円高が継続している理由かもしれない。一方、ドル/円相場はショートポジションの積み上がりも相まって、1月の米非農業部門雇用者数が堅調に増えたにもかかわらず、巻き戻している。2026年における米連邦準備制度理事会(FRB)の金利見通しで利下げ幅が小幅に縮小され、米国債利回りが上昇したにもかかわらず、円は上昇を続けた。上記の5日と20日の相関(中央列が5日、右列が20日)を見ると、ドル/円と日本の2年債・30年債利回り格差との関係性が、特に過去1週間で顕著に強まっている。これが恒久的な要因とは限らないが、利回り曲線の変化は円相場の短期的なリスクの方向性に関する有用な手がかりとなる可能性がある。

152.00が攻防線に浮上

下記の日足チャートでドル/円を見ると、筆者が週末レポートで指摘した上昇リスクは月曜には顕在化せず、日本当局者による新たな口先介入が今週の反発の引き金となった。財政懸念が後退し日本国債利回り曲線が平坦化するなか、ドル/円は50日移動平均線を割り込んだ後、156.00と154.45のサポートをすばやく下抜け、水曜の取引終盤には153.00を下回る水準からようやく反発した。

ドル/円 日足チャート

出所:TradingView

巻き戻しによりポジションの偏りは縮小したものの、モメンタム指標は引き続き、下落圧力が増大していることを示している。14日間RSI(相対力指数)は50を下回って下降傾向にあるが、まだ売られ過ぎの状態には至っておらず、MACD(移動平均線収束拡散法)は今週初めにデッドクロス(MACD線がシグナル線を下抜ける)が発生し、同様に下降している。この背景から、上昇局面での売り戦略が有利となり、反発が見られた場合には前述の水準がショートポジションの構築ポイントとなり得る。また、下値目途として水平サポートラインと解放記念日トレンドラインが重なる152.00のレベルは引き続き、攻防戦のエリアとして注目されよう。

この攻防戦が次の主要な下落局面の焦点となり、近くには200日移動平均線(150.43)も位置している。ドル/円における広範な上昇トレンドの行方、そして世界的な資産価格の上昇を支えてきたキャリートレードの命運は、短期的にはこの2つの水準を守れるかどうかにかかっていると言える。

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(2月12日付記事「USD/JPY Forecast: Yen rallies as Japan curve flattening bites」、FOREX.comマーケット・アナリストのDavid Scutt著)

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