ドル/円、ドル/スイスフラン見通し:原油ショックで安全資産取引が混乱、債券利回りが再び相場を主導
原油がニュースの見出しを独占しているが、相関関係は為替相場でおなじみの展開を示唆している。上昇する米国債利回りと拡大する金利差が、ドル/円とドル/スイスフランの動向を再び主導している。
米雇用統計発表を前にドルが堅調に推移する中、ドル/円は重要な158円台のレジスタンスに接近している。短期的な方向性を左右する材料として、市場は地政学リスクとリスク感度を注視している。
2026年3月6日 午後21:11
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米非農業部門雇用者数(NFP)の発表を目前に控え、トレーダーがポジション調整を進めるなか、ドル/円は小幅に上昇している。ドル/円は、穏やかなリスク回避の動きと高まる地政学的緊張を背景に堅調に推移するドルに歩調を合わせ、上昇基調にある。直近の重要なテクニカル水準である158円が目前に迫るなか、トレーダーは上昇が継続するか、あるいはイベントリスクが反落を引き起こすのかを見極めようとしている。
NATO条約第5条発動(第三次世界大戦の前兆)の差し迫った脅威はないものの、イラン戦争終結の見通しも立っていない。イランがトルコに向けてミサイルを発射したことにより、紛争が中東を越えて拡大する可能性は確実に高まっている。ホルムズ海峡が事実上閉鎖された状態が続く限り、原油価格は高止まりし、さらに上昇する可能性がある。戦争の激化を回避する合意が成立するかもしれないという期待(根拠のないものとはいえ)もある。しかし、米下院が議会の承認なしにイランへの追加攻撃を阻止する決議案を否決したことから、明らかにまだその段階には至っていない。

• 原油価格は5 日に小幅上昇し、ブレント原油価格は2年ぶりの高値である86.86ドルに達したものの、ボラティリティは低水準を維持した。
• WTI原油価格は6%超上昇し82を突破、日中の値幅は10日ATR(真の値幅の平均)の181%に達した。
• 金価格は小幅な弱気の包み足を形成し、5200をレジスタンスとして2営業日連続で押し戻された。
• ダウ平均株価(NYダウ)先物が米国株価指数を先導して下落、執筆時点でS&P500は0.85%、ナスダック100は0.7%それぞれ下落している。
• リスク回避ムードがやや強まる中、米ドルは主要通貨の中で最も堅調に推移。豪ドル/米ドルとニュージーランドドル/米ドルはそれぞれ0.9%と0.7%下落し、米ドルに対して最も弱い動きとなった。
• 円とスイスフランも米ドルに対して軟調。6日の米非農業部門雇用者数(NFP)発表を控え、リスク回避資金の受け皿として米ドルが選ばれる展開となっている。
ドル/円相場において、上昇トレンドの延長と反転の境界線は極めて微妙であり、その境界線は158円付近に位置しているようだ。この重要な水準は今週の高値となっており、4日の反落は、3日の小幅な上昇が実際には2月9日の高値を上抜けた偽のブレイク(ブルトラップ)であると主張する売り勢力を刺激した結果だった可能性がある。しかし、この反落もすでに脅威にさらされている。158円直下で形成された広範囲にわたる強気の包み足がそれを示唆している。
中東情勢のニュースや週末のギャップリスクを前に、週末にかけて円が安全資産として買われ、円高が進む可能性がある。これはドル/円にとって弱気材料となる。ただし、米連邦準備制度理事会(FRB)が近い将来に利下げを行う可能性が低いとの見方を強めるには、今夜(日本時間)発表の非農業部門雇用者数(NFP)がそこそこの堅調な数値を示すだけで十分かもしれない。
1時間足チャートは強い上昇トレンドを示しており、価格は50時間指数平滑移動平均線(EMA)と20時間EMAに沿って反発している。買い勢力は、158突破と159、あるいは159.45の高値圏への上昇を見込み、5日の安値(156.44)付近での押し目買いを検討する可能性がある。後者の高値を突破できるかは、米ドルが全体で上昇動向を示すかどうかに左右され、NFPが堅調な内容となれば、その原動力となるだろう。

3月6日(金)
• 9:00 — 米連邦準備制度理事会(FRB)グールズビー理事発言(EUR/USD、USD/JPY、GBP/USD)
• 16:00 — 英ハリーファックス住宅価格指数(2月)(GBP/USD、EUR/GBP、GBP/JPY)
• 20:00 — EUR ドイツ自動車登録台数(2月)(EUR/USD、EUR/GBP、EUR/JPY)
• 20:30 — USD工場受注、輸送機器を除く工場受注(1月)(EUR/USD、USD/JPY、GBP/USD)
• 22:30 — USD 非農業部門雇用者数、失業率、平均時給、労働参加率、平均労働時間 (EUR/USD, USD/JPY, GBP/USD)
• 22:30 — USD 小売売上高、コア小売売上高 (EUR/USD, USD/JPY, GBP/USD)
3月7日(土)
• 00:00 — カナダ Ivey PMI(2月)(USD/CAD、CAD/JPY、EUR/CAD)
• 00:00 — 米国 小売在庫(自動車除く)、企業在庫、卸売在庫(EUR/USD、USD/JPY、GBP/USD)
• 00:15 — 米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバー、デイリー氏講演(EUR/USD、USD/JPY、GBP/USD)
• 02:00 — 米アトランタ連銀 GDPナウ(第 1 四半期)(EUR/USD、USD/JPY、S&P 500)
• 03:20 — 米連邦準備制度理事会(FRB)コリンズ氏講演(EUR/USD、USD/JPY、GBP/USD)
• 03:30 — 英中央銀行(BoE)ハウザー氏講演(GBP/USD、EUR/GBP、GBP/JPY)
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(3月6日付記事「Japanese Yen Outlook: USD/JPY Bulls Eye 158 Heading into NFP」、FOREX.comマーケット・アナリストのMatt Simpson著)
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