ドル円急落の裏側、円買い観測とキャリートレード解消:ドル円見通し
ドル/円は現在、マクロ市場で最も注目されるテーマの一つとなっている。週末には、米財務長官が円購入の検討を示唆していると広く報じられ、市場の関心を集めた。
原油がニュースの見出しを独占しているが、相関関係は為替相場でおなじみの展開を示唆している。上昇する米国債利回りと拡大する金利差が、ドル/円とドル/スイスフランの動向を再び主導している。
2026年3月13日 午後16:32
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• 国債利回りの動きがUSD/JPYとUSD/CHFの押し目買いを後押し
• 両通貨ペアともテクニカル水準を意識した動きを維持
• 異常な価格変動にもかかわらず、スイスフランは安全資産としての位置を保持
• 原油高が米インフレ見通しを押し上げ、FRBの利下げ予想幅を縮小させている
市場は依然としてエネルギー価格に注目しているが、相関分析によれば、最近のドル/円(USD/JPY)とドル/スイスフラン(USD/CHF)の動きは再び、より馴染み深い要因に動かされているようだ。円については金利差とリスク選好の変化が再び影響力を強めており、スイスフランについては安全資産需要と利回り格差が再び主導権を握っているように見える。
米国債利回りが上昇し、両通貨ペアへの影響は11日に顕在化した。これはインフレの兆候とエネルギー市場の回復が複合的に反映されたものだ。
2月の米消費者物価指数(CPI)は一見穏やかに見えたが、その詳細を米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標であるコア個人消費支出(PCE)価格指数に置き換えて考えると、より強固な基礎的圧力があることが示唆された。
エコノミストは、2月のPCEコア価格指数の伸び率が0.4%前後で推移すると予想している。これは1月と一致するペースで、FRBの年間物価目標である2%を大幅に上回る水準。トレーダーがFRBの金利見通しを再評価するなか、この予想は米国債利回りの上昇を促した。市場は現在、2026年における利下げ幅をわずか26.5ベーシスポイントと織り込み、3月初旬時点の予想の半分以下に縮小した。来週の利下げ確率はほぼゼロで、4月の利下げは約16%、6月の利下げはおよそ31%と予想されている。

その価格再調整の一部は、今回のエネルギーショックの性質を反映している。米国はエネルギー面でほぼ自給自足状態にあるため、金融市場は経済成長への直接的な打撃よりも、原油価格上昇によるインフレ圧力にはるかに強い懸念を示している。
この懸念は、国際エネルギー機関(IEA)が戦略備蓄から過去最高の4億バレル(2022年のロシアによるウクライナ侵攻後に放出された1億8,200万バレルの2倍以上)の放出を勧告したにもかかわらず、原油価格が5%近く急騰したことで一夜にしてさらに強まった。
この反応は、問題が利用可能な石油の量ではなく、それを輸送する能力にあるという認識が高まっていることを反映している可能性が高い。ホルムズ海峡での船舶攻撃が継続し、この要衝を通るタンカー航行がほぼ停止状態に陥るなか、流通の混乱が最大の懸念材料となりつつある。
ホルムズ海峡が完全に再開されるまで、エネルギー供給ひっ迫とインフレ圧力増大のリスクは続くと見られる。これがIEA発表後に原油相場で「噂で売り、事実で買う」という反応が見られた背景である。
こうした背景が、ドル/円において一日で起きた価格動向を説明する一助となる。原油と中東戦争が依然としてニュースの見出しを独占するなか、相関分析によれば、この通貨ペアを動かす要因は静かに従来型へと回帰しており、その動きは原油価格の方向性リスクだけではなく、日米の利回り格差やリスク選好の広範な変化と再び密接に連動している。

最も強い相関関係があるのは日米債利回りスプレッドである。2年債スプレッドは過去5日間で0.73の相関を示し、10年債スプレッドはさらに高い0.83を記録した。これは、FRBと日銀の政策に対する相対的な変化が両通貨ペアをけん引していることを浮き彫りにしている。
さらに掘り下げると、米2年債利回り単体でも0.81と高い相関性を示している。これは現在の動きが主に米国金利動向に起因し、ドル/円相場の変動の大半を米国債利回りがけん引していることを裏付けている。
対照的に、原油はマクロ経済の主要テーマでありながら、為替相場への影響は限定的だ。ブレント原油とドル/円の間には過去5日間で-0.09のわずかな逆相関が確認され、長期ではほぼ中立に近い状態にある。
要するに、エネルギー市場が依然としてメディアを賑わせている一方で、ドル/円は再び伝統的な利回り主導型通貨ペアとしての動きを強めている。

米国債利回りの上昇、利回り格差の拡大、そしてテクニカル面の好材料が相まって、ドル/円は11 日、数カ月ぶりの高値を更新した。
全体的なトレンドは依然として堅調な上昇基調を維持している。ドル/円は明確な上昇トレンドライン内で推移を続け、主要移動平均線は上向き、モメンタム指標も上昇を支えている。14日RSI(相対力指数)は50を上回って上昇傾向にあり、MACD(通称マックディー)は数週間前にシグナルラインを上抜けて以降、依然としてプラス圏を維持している。価格とモメンタムの動向を踏まえると、明らかに強気の地合いが続いている。
今週前半に157.88付近のレジスタンスを突破し、上昇局面で新たな高値を更新したことから、注目は2026年の高値159.45へと移っている。
短期的なポジション構築を検討する場合、週明け9日に形成された高値158.90が注目すべき水準となる。アジア市場序盤で価格はこの水準付近で推移しており、取引構築の基準点として活用できそうだ。エントリーポイントの反対側にストップ注文を配置してリスク管理も怠らないようにされたい。
上値では159.45を明確な目標値として維持している。突破が確認できれば、買い勢にとっては160.23が視野に入る。
下値では2月の上昇トレンド線が注視すべき水準だ。ここ数週間で繰り返し試されているが、毎回支えている。方向性を上昇から横ばいあるいは下落へ転換させる決定的なブレイクには、広範な市場におけるしっかりとしたリスクオフ転換が必要となる可能性を示唆している。
ドル/円は再び、主に利回り格差を背景に取引されている一方、相関分析によればドル/スイスフランは米国金利とスイスフランへの新たな安全資産需要が複合的に作用していることが示唆されている。

過去1週間で最も強い相関関係は、再び米国債利回りだ。米2年債利回りとの5日間の相関係数は0.78で、米国/スイス2年債利回りスプレッドも0.73と僅差でそれに続く。10年物スプレッドも0.52と影響力を維持しており、金利差がこの通貨ペアを動かす重要な要因ということを裏付けている。
同時に、相関関係には伝統的な安全資産としての動きが明確に表れている。ドル/スイスフランは過去5日間で金との強い負の相関(-0.79)を示し、VIX先物との相関も-0.65となっている。簡単に言えば、リスク回避姿勢が強まり安全資産需要が高まると、スイスフランは恩恵を受ける傾向がある。
現在の背景が興味深いのは、地政学的環境を考慮すると、金もボラティリティも予想通りの動きを見せていない点だ。中東情勢の悪化にもかかわらず、両者とも持続的な上昇を維持できていない。スイスフランとの統計的な相関関係は維持されているものの、安全資産需要が依然としてやや鈍いことを示唆している。
またエネルギー市場の影響も限定的なようだ。ブレント原油は5日間で-0.33のわずかな負の相関を示しており、より長期ではほぼ中立である。

ニュースの見出し主導の相場環境にあるにもかかわらず、ドル/スイスフランがテクニカル指標に対して驚くほど忠実に動いている点は特筆に値する。まるでスイスが誇る精密時計のような信頼性だ。
実際、3月初旬に対称三角形(シンメトリカル・トライアングル)を上抜ける強気のブレイクアウトを見せたものの、0.7873に位置する過去のサポートに直ちに阻まれ、ほどなくして押し戻された。直近では、今月に入って50日移動平均線を上回ろうとする試みが何度も失敗しており、この水準を挟んで強気派と弱気派の攻防が続いている。
しかし少し引いた視点で眺めると、1月下旬以降、同通貨ペアは高値・安値を切り上げる展開を静かに続けている。これは、近い将来に明確な方向性が示されるとすれば、下方向よりも上方向にバイアスが傾きやすいことを示唆している。
50日移動平均線を上回って終値を付ければ、この通貨ペアの見通しは一変するだろう。今月これまでに見られた、同水準の上抜けに失敗した一連の試みとは一線を画す動きとなるからだ。その場合、まず注目すべきは0.7873で、さらに上では200日移動平均線と0.7970が控えている。
一方、下方では、足元で0.7750を挟んだ水準での取引が重なっており、同水準は明確な基準点となっている。ここを下抜ければ、方向性リスクは明確に下方へ傾き、2月および3月に形成された小さなスイングローが視野に入ってくる。
オシレーター系指標が示すシグナルは総じて中立であり、足元ではシグナル判断においてプライスアクション(値動き)の重要性が一段と高まっている。
グローバル経済において、根本的な市場のテーマや相場の流れを構築する可能性のある主要なイベントや指標とは? 毎週更新される経済指標カレンダーで世界の主要イベントを確認できます。
(3月12日付記事「USD/JPY, USD/CHF Forecast: Yields back in charge as oil shock muddies haven trades」、FOREX.comマーケット・アナリストのDavid Scutt著)
ドル/円は現在、マクロ市場で最も注目されるテーマの一つとなっている。週末には、米財務長官が円購入の検討を示唆していると広く報じられ、市場の関心を集めた。
米ドル/円は160円付近で上値が重く、英ポンド/円は213円の上抜けが視野に入る一方、豪ドル/円は重要なサポート水準を試す展開となっており、円クロス全体で調整リスクが意識されている。
2週間前、ドル/円は当局による二度にわたる為替介入を受けて急落し、大幅な売りに見舞われた。しかし、その後は買い方が徐々に勢いを取り戻しており、現在は市場が注目する重要な心理的節目を再び試す展開となりつつある。