ドル円の週間見通し:嵐の前の静けさ? 数十年ぶりの高値圏でこう着
米国のインフレ指標が予想以上に鈍化したにもかかわらず、円は引き続き軟調に推移している。一方、ドル/円は重要なレジスタンスの直下で値動きが小さくなっており、今週は、次の大きな値動きの方向性を決定づける可能性のあるイベントと重要な価格水準に注目したい。
直近の取引では円の軟調地合いが続いている。この動きはドル/円にも表れており、同通貨ペアは過去3営業日で0.7%超上昇した。これは円が引き続き、対ドルで下押し圧力にさらされていることを示している。
2026年7月24日 午後13:47
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円の軟調地合いが続いていることが、直近の取引でも改めて確認されている。この動きはドル/円(USD/JPY)にも反映されており、同通貨ペアは過去3営業日で0.7%超上昇した。これは、円の対ドルでの弱さが続いていることを示している。
当面のところ、ドル/円の上昇を支えている主な要因は、米国との大幅な金利差だ。この金利差は今後数カ月にわたりさらに拡大する可能性がある。また、中東情勢を巡る動向を背景にドル買い圧力が再び強まっていることも、ドル/円の上昇を後押ししている。
こうした材料が引き続き、市場で意識されるようであれば、今後数回の取引セッションにおいても、ドル/円には買い圧力が残る可能性がある。
ここ数カ月にわたり、米国と日本の金利差は円安をもたらす主な要因の一つとなっている。米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を3.75%に据え置いている一方、日本の政策金利は約1.00%と、依然として世界的に見ても低い水準にある。
この金利差は債券市場にも反映されている。足元では米国債と日本国債の利回りがともに上昇しているものの、その差は開いたままである。米10年債利回りは4.7%近辺まで上昇し年初来高値圏に達している一方、日本の10年債利回りは約2.7%にとどまっている。

こうした環境は引き続き、円の魅力を損なっている。米国債利回りの上昇は、円建て資産よりもドル建て資産の投資妙味を高める。この関係性はここ数カ月にわたり続いており、円に対する需要を抑制する要因となっている。
また、足元で注目されるのは、この金利差がさらに拡大する可能性がある点である。これまでのところ、日銀から追加利上げを示唆するような大きな動きは見られない。一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)については、今後数カ月にわたり金利がより高い水準で推移する可能性が市場で織り込まれ始めている。
市場関係者の先読みを数値で示すCMEグループのFed Watch(フェドウォッチ)ツールによると、9月16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合では、米国が追加利上げを実施する確率が優勢で、依然として56%を上回る水準となっている。仮に利上げが実施されれば、日米間の金利差はさらに拡大し、円に対する下押し圧力が強まる可能性がある。

市場が引き続き、政策変更に慎重な日銀と、よりタカ派的なFRBという構図を意識する限り、日米金利差はドル選好を後押しする可能性がある。こうした環境は円の本格的な反発を難しくし、ドル/円の上昇圧力を当面維持する要因となり得る。
中東では、イランが支援するイエメンの武装組織による攻撃を受け、ホルムズ海峡だけでなく紅海周辺でも地政学リスクが高まりつつあることが示されている。こうした動きは、米軍による新たな軍事行動にもつながっており、短期的な外交的解決は依然として見通しにくい状況だ。
緊張の高まりは原油価格を支えるとともに、市場の不透明感を強め、リスクプレミアムの上昇要因となっている。
こうした中、ドルには再び買いが入り始めている。その動きは、主要通貨に対するドルの強弱を示すドル指数(DXY)にも表れており、同指数は連日の上昇を受けて101ポイント台を回復している。
これは、過去数カ月と同様に、中東情勢の緊迫化を背景として、ドルが流動性の高い安全資産として選好されている可能性を示唆している。特に地政学リスクが高まる局面では、投資家がドル建て資産へ資金を移す傾向が強まりやすく、ドル相場の下支え要因となることがある。

こうした動きは円相場にとっても重要である。中東情勢の緊張がさらに高まり、安全資産としてのドル選好が続くようであれば、円は持続的に値を戻すことが難しくなる可能性がある。そのため、ドル/円には今後数回の取引セッションにおいても買い圧力が残る公算が大きいだろう。

• 強気トレンドは依然として揺るがず
ドル/円はここ数カ月にわたり、明確な上昇トレンドラインを維持している。このトレンドラインは、主要な上昇基調を脅かすほどの強い売り圧力が確認されていない現在の状況下では、依然としてチャート上で最も重要なテクニカル要因だ。買い優勢の地合いが続く限り、このトレンドラインは今後数回の取引セッションにおいて重要なサポートとして機能する可能性がある。
• RSI(相対力指数)
RSI(相対力指数)は中立水準である50を上回って推移しており、短期的には買い勢力が優勢であることを示している。ただし、ドル/円は高値の切り上げが続く一方で、RSIは高値を切り下げており、弱気ダイバージェンスが生じつつある点には注意が必要だ。この動きは足元の買い圧力の過熱感を示唆しており、短期的な調整局面が訪れる余地を示している。
• MACD(移動平均収束拡散法)
MACD(移動平均収束拡散法)では、ヒストグラムが中立水準である0ラインに近づきつつある。これは短期的な上昇モメンタムが鈍化しつつあることを示唆している。そのため、MACDは今後数回の取引セッションにおいて、相場が方向感に欠ける展開へ移行する可能性を示していると考えられる。
主要なテクニカル水準
• 164.238 ― 重要なレジスタンス
過去数年の値動きにおいて比較対象となる水準が乏しい中、このレベルはトレンドラインをベースとしたフィボナッチ・エクステンション61.8%の水準と重なっている。価格が再びこのゾーンに接近すれば、買い優勢の流れを後押しする可能性があり、上昇トレンドラインが引き続き主要なテクニカル要因として意識される展開となりそうだ。
• 161.898 ― 目先のサポート
この水準は過去数週間の高値と重なることから、テクニカル面で重要な節目となっている。また、短期的な調整局面が発生した場合には、一時的なサポートとして機能する可能性がある。
• 160.214 ― 主要サポート
この水準は、現在のチャートで最も重要なサポートとして位置付けられる。足元の押し目水準と重なるほか、市場で意識されやすい心理的節目でもあり、主要な上昇トレンドラインの下限とも一致している。仮に相場が再びこの水準付近まで下落した場合、現在の強気相場の構造が揺らぎ、今後数週間にかけて売り圧力が強まる展開につながる可能性がある。
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(7月24日付記事「USD/JPY Forecast: Yen keeps showing persistent weakness」、FOREX.comのマーケット・アナリストJulian Pineda著)
米国のインフレ指標が予想以上に鈍化したにもかかわらず、円は引き続き軟調に推移している。一方、ドル/円は重要なレジスタンスの直下で値動きが小さくなっており、今週は、次の大きな値動きの方向性を決定づける可能性のあるイベントと重要な価格水準に注目したい。
過去2営業日において、ドル/円は急落し、1%以上の価値を失った。短期的に円買いの勢いが強まっている。現在の売り圧力は、昨日の米連邦準備制度理事会(FRB)の決定直後に強まり始め、ドルの構造的な弱さが現れる引き金となった。
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