S&P500、ナスダック見通し ― 世界的に高まる緊張 は株価にどう影響?
夏相場に向かうにあたり、FOREX.comのマーケット・アナリスト、ラザン・ヒラル氏が、地政学的リスクが高まる中、何が投資家心理の形成に影響しているのか、その要因について解説する。
市場ではヘッジファンドへの関心が戻っており、ロング/ショート株式への資金流入が力強く回復している。ヘッジファンド・リサーチによると、2025年上半期にロング/ショート株式ファンドには100億ドルの資金が流入した。当記事では、このトレンドをさらに深く掘り下げ分析していきたい。
2025年8月13日 午前11:28
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この1年間、機関投資家からヘッジファンドへの投資意欲が再燃しているという話を よく耳にする。その勢いは継続しており、投資家から聞かされていた内容がデータに反映され始めている。多くのヘッジファンド戦略がこの再燃した投資意欲の恩恵を受けており、ロング/ショート株式への力強い資金回帰が観察されている。ヘッジファンド・リサーチによると、ロング/ショート株式ファンドには2025年上半期に100億ドルの資産が流入した。当記事では、このトレンドをさらに深く掘り下げ分析していきたい。
ヘッジファンド戦略を支える複数の好材料があるため、ロング/ショート株式への関心と実際の資金流入は今後も増えると予想される。まず、投資家は未公開株式への投資をポートフォリオの他の分野へ再配分している。第二に、8月初旬の執筆時点では、直近では米雇用統計や関税の適用など、様々な経済イベントにより、株式相場は変動が続いている。全体的な市場パフォーマンスや方向性において懸念がある場合、投資家は株式選択のプロに依存する傾向がある。柔軟なロング/ショート株式運用者は、広範な株式相場の変動や個別銘柄の価格変動に迅速に対応して持ち高を調整する。グローバルなロング/ショート株式運用者は、地理的なリスクを考慮しつつ持ち高を調整する手法も兼ね備えている。
機関投資家のポートフォリオは、航空母艦が方向転換するようにゆっくりと資産配分を調整する。戦略的配分は長期を念頭に構築され、戦術的な変更も劇的なものではない。財団や基金、年金、富裕層向けのファミリーオフィスなど多くの大規模な機関の投資に関する決定は、四半期ごとに開催される投資委員会や理事会での承認を要する。また、先四半期レポートで指摘したように、未公開企業への投資はポートフォリオの流動性に対して制限を与える場合が多い。したがって、ロング/ショート株式への資金流入の増加は、計画的なシフトを反映しており、過去1年間に機関投資家から聞いた内容と一致している。
2025年上半期に多くのロング/ショート株式ファンド(および他のヘッジファンド戦略)が示した力強いパフォーマンスは、この戦略の正当性を後押ししている。今年上半期のトップパフォーマーは、3月と4月の株式相場の変動が激しかった時にパフォーマンスが安定していたのに加え、最近の相場上昇の恩恵も受けている。その結果、これらのファンドを運用するトップマネージャーは、S&P500の2025年上半期におけるリターンである5.5%を大幅に上回る二桁のリターンを挙げている。しかし、この期間に市場を上回るパフォーマンスを挙げた理由は一つではない。以下の方針もロング/ショートマネージャーのパフォーマンスが向上した理由である:
・保有ポジションと個別銘柄の保有比率を柔軟に調整する
・割安な株価を提供する地域の株式に資金をシフトする
・誤評価された個別銘柄を空売りし、後に買い戻して利益を得る
米国の投資家との会話では、ポートフォリオ全体の50-70%を伝統的なロング/ショート株式に充てる戦略に加え、40%未満に抑える戦略やマーケットニュートラル戦略(市場全体の価格変動リスクを中立化し、特定の銘柄や相対的な価格差から収益を狙う投資戦略)への関心が高まっていることが確認されている。ロンドン拠点の同僚からは、低ベータ戦略(株式市場全体の動きに対して、変動幅が小さい銘柄に投資する戦略)やマーケットニュートラル戦略への関心は、欧州の投資家の方がはるかに高いとの報告もある。しかし、以前のレポートで述べたように、すべての投資決定には資金源(未公開企業への投資、ロング株式、現金、債券)が必要であり、個々の資金分散行動の背景にある理由を正確に知ることは不可能だ。とはいえ、広い意味でロング/ショート株式戦略において新たな関心が高まっていることに変わりはない。
ロング/ショート株式への資金流入は既に顕著だが、これらの資金流入は、ロング/ショート株式マネージャーに利益をもたらす大きなトレンドの兆候であると考えている。戦略の価値を示し、投資家とのコミュニケーションを明確に行い、合理的な手数料と流動性が提供できるロング/ショート株式マネージャーであれば、関心と投資が再燃している自身のロング/ショート株式戦略への資金流入が増加する可能性が高いだろう。
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(8月11日付記事「Market Volatility and the Return of Long/Short Equity」、StoneX ファイナンシャルのキャピタル・イントロダクション共同責任者、Steven Grabowski著)
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