米国株価指数見通し:NYダウに暗雲か、5万ポイントから遠ざかる
今週のダウ工業株30種平均株価(NYダウ)はマイナス圏で寄り付き、23日の取引では1.3%超の下落となった。投資家心理が再び悪化しつつある。関税を巡り世界的な緊張が高まるなか、ここ最近の取引で売り圧力は落ち着きを見せている。
先月29日の米国株式相場は史上最高値から反落。市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する個人消費支出(PCE)コア価格指数の上昇率が予想通りだったのに加え、トランプ大統領が少額の輸入品に対する関税を免除する措置を8月29日から全面的に停止したことを消化していたようだ。
2025年9月2日 午後12:14
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8月29日の米株式相場は史上最高値から反落した。米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する個人消費支出(PCE)コア価格指数の上昇率が予想通りだったのに加え、トランプ米大統領が少額の輸入品に対する関税を免除する措置を8月29日から全面的に停止したことを市場が消化していたためとみられる。
7月のPCEコア価格指数は前年同月比2.9%上昇し、6月(2.8%上昇)よりも伸び率は上がり、5カ月ぶりに最高水準に達した。この結果は、生産者物価指数(PPI)が予想外に上昇したことに続き、トランプ政権による広範な関税が消費者物価に転嫁されていることをさらに裏付けた。しかし、ジャクソンホール会議でのジェローム・パウエルFRB議長のハト派的な姿勢が影響し、市場の反応は限定的だった。
ジャクソンホールでの講演で、パウエルFRB議長が労働市場の最近の冷え込みを認めたことを受け、9月の利下げに対する期待が急速に高まった。ただ、貿易関税によるインフレの影響については依然として不透明だと指摘した。
クリストファー・ウォラーFRB理事は28日、来月から利下げを開始したい意向を示し、追加利下げが確実に続くと予想している。
一方、トランプ政権は29日、関税を免除する特別措置、いわゆるデミニミス(全世界の非課税基準額)ルールの適用を世界的に廃止し、800ドル未満の小口輸入品に対する課税を開始した。これにより、主に中国からの貨物の価格上昇が見込まれ、インフレ圧力が増すとみられている。
主要株価指数は28日には上昇し、S&P500種株価指数は0.3%高と、過去最高値を更新して取引を終えている。ダウ工業株30種平均も史上最高値を記録した。主要3指数は堅調な月間上昇率を維持しており、ダウ平均は8月に3.4%上昇、S&P500は2.6%上昇、ハイテク株中心のナスダックは2.8%上昇している。
個別銘柄に目を向けると、米パソコン大手デル・テクノロジーズは29日、同社の四半期利益予想が市場予想を下回ったことを受け、5%超下落している。第2四半期の利益率の低下が、堅調と予想されている通期予想に影を落とした。
米建設機械大手キャタピラーは、米貿易政策が転換したことの影響を企業が急いで評価する中、今年度の関税関連費用が増加すると予測したことを受け3%下落した。
中国の電子商取引大手アリババの米国預託証券(ADR)は3%超上昇。四半期の売上高は市場予想を下回ったものの、クラウドコンピューティング事業で堅調な伸びを示した。
美容・コスメ専門店のウルトラビューティーは年間売上高・利益見通しを引き上げたことを受け3%超上昇した。予想を上回る業績見通しは、メイクアップ・スキンケアブランドへの需要が堅調であることを示唆している。
ナスダック100指数は5月上旬に形成された上昇チャネル内で推移している。価格は最近、50日単純移動平均線(SMA)とチャネルの下限ラインがサポートとなっている。しかし、相対力指数(RSI)は強気の勢いが弱まっていることを示唆している。買い手はチャネルの中間点を奪還できなかった。サポートは50日移動平均線、上昇チャネルの下限が位置する23,000にある。この水準を下抜けると下値の切り下げとなるだろう。一方、勢いが回復すれば、買い手は24,000と新たな史上最高値を目指すだろう。

出所:Tradingview
29日の外国為替市場で米ドルは上昇しており、週間ベースでの上昇が見込まれている。FRBが重視するインフレ指標である米PCEが消化される中、FRBの利下げ観測は変わらず、市場は年末までに0.55%の利下げを織り込んでいる。
ユーロ/米ドルは下落。ドイツの小売売上高が予想外に弱い内容となったためだ。7月の独小売売上高は前月比1.5%減と、予想(0.4%減)を大きく上回るマイナス幅となった。今週初めにはドイツの消費者信頼感指数が景況感の悪化を浮き彫りにしている。ドイツのインフレ率は予想通り2.1%上昇だった。
英ポンド/米ドルも下落。英シンクタンク公共政策研究所(IPPR)が、市中銀行がイングランド銀行(BOE、英中央銀行)から得ている準備預金の金利に対する全額課税を提案したことで、英国の財政懸念が浮上している。ただ、29日の下落にもかかわらず、英ポンドは予想外の堅調な英国経済指標とBOEによる年内の利下げ期待後退を背景に、今月は対ドルで2%上昇する見通しだ。
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(8月29日付記事「Nasdaq 100 Forecast: QQQ falls after US inflation heats up」、City Indexシニア・マーケット・アナリストのFiona Cincotta著)
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