ナスダック100見通し:上昇、半導体株が底堅さを維持|中東情勢の緊張は続く
先週金曜に大きく値下がりした半導体株が底堅さを維持していることから、週明け月曜の米国株式先物相場は上昇している。ただし、中東情勢の展開や金融引き締め観測が上昇幅を制限する可能性がある。
2日(英国時間)は、多くの金融市場にとって今週で最も重要な日となりそうだ。ドルは、日本当局による為替介入の可能性が意識される中でやや下落した。一方、米国株先物は、注目度の高い米非農業部門雇用者数(雇用統計)の発表を2日に控え、まちまちな動きとなっている。投資家は、月内でも特に重要な経済指標の一つである雇用統計の発表待ち状態であることに加え、米国市場が3連休を迎えることもあり、新たなリスクを積極的に取ることを手控えている。
2026年7月3日 午後13:06
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2日(英国時間)は、多くの金融市場にとって今週で最も重要な日となりそうだ。ドルは、日本当局による為替介入の可能性が意識される中でやや下落した。一方、米国株先物は、注目度の高い米非農業部門雇用者数(雇用統計)の発表を2日に控え、まちまちな動きとなっている。投資家は、月内でも特に重要な経済指標の一つである雇用統計の発表待ち状態であることに加え、米国市場が3連休を迎えることもあり、新たなリスクを積極的に取ることを手控えている。
雇用統計の数値は、今後数カ月にわたる米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策見通しを左右する可能性がある。一方、半導体関連株の売りが再び強まったことで、テクノロジーセクターには引き続き下押し圧力がかかっている。このような背景から、ナスダック100株価指数の先行きに市場の関心が集まっている。
1 日(英国時間)にポルトガルのシントラで開催された欧州中央銀行(ECB)フォーラムにおけるケビン・ウォーシュFRB議長の発言から、市場が新たな手掛かりを得ることはほとんどなかった。予想通り、同氏は今後の金利動向に関する示唆を避け、FRBが引き続き、経済指標を重視して政策判断を行う姿勢を改めて強調した。
こうした中、市場の関心は2日に発表される6月の非農業部門雇用者数(NFP)に集まっている。市場予想では、6月のNFPは約11万5,000人増と見込まれており、5月の17万2,000人増から鈍化する見通しだ。もっとも、ここ何カ月かはエコノミストによる予想が実際の雇用者数の伸びを過小評価するケースが続いており、NFPが市場予想を上回る結果となるパターンが繰り返されている。
ウォーシュFRB議長は、市場で織り込まれている金利見通しを肯定も否定もしなかったため、投資家は今後発表される経済指標を自ら解釈する必要がある状況となっている。FRBは、(金融政策の方向性を示す)フォワードガイダンスを通じて市場の期待を誘導するのではなく、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合までの間に発表される経済指標が市場の見方を左右することを容認しているようだ。そのため、本日発表される米非農業部門雇用者数の重要性は一段と高まっている。
もっとも、非農業部門雇用者数(NFP)に対する株式市場の反応は単純ではないかもしれない。市場予想とおおむね一致する結果となれば、米景気の底堅さが確認される一方で、金利見通しに大きな変更を迫ることもないため、株式市場にとって最も好ましいシナリオとなる可能性が高い。
一方、予想を大幅に上回る強い結果となれば、FRBが想定より早い段階で金融引き締めを進める必要があるとの見方が再燃する可能性がある。その場合、米国債利回りの上昇を通じてリスク資産の重しとなるだろう。逆に、雇用者数の伸びが著しく低調な結果となれば、米景気の勢いが失われつつあるとの懸念が再び強まり、投資家心理を悪化させる可能性がある。
また、米独立記念日の連休を控えていることから、特に米雇用統計の発表後に市場の動きが大きくなった場合、トレーダーは取引終盤にかけてポジションを縮小する動きに傾く可能性がある。
昨日(1日)は新たな月と四半期の取引初日となったが、テクノロジー株の投資家にとっては厳しいスタートとなった。半導体株が米国株式相場全体の下落を主導し、マイクロン・テクノロジーとサンディスクはともに二桁の下落率を記録した。また、エヌビディアやブロードコムといった大型銘柄も大幅安で取引を終えた。時価総額上位銘柄の下落率は比較的限定的だったものの、売りは市場全体に広がっており、その影響でナスダック指数は下落した。
その後、売り圧力はアジア市場にも波及した。夜間取引では、ハイテク株の比重が高い韓国相場が特に軟調な展開となり、サムスン電子とSKハイニックスがともに大幅安となったことで、指数に占める両社の高い構成比率を背景に韓国総合株価指数(KOSPI)は下落した。また、中国および香港のハイテク株にも同様の弱さが見られ、投資家がテクノロジーセクターに対する見方を見直すなかで売りが広がった。
もっとも、1日だけの軟調な値動きによって長期的な見通しが変化するわけではない。しかし、長期間にわたる大幅な上昇を経て、テクノロジー株が市場心理やセンチメントの変化に対していかに敏感になっているかを改めて示す結果となった。
足元の下落は、単なる利益確定売りだけでは説明できない。投資家の間では、人工知能(AI)サプライチェーンの一部企業について、現在の株価評価が、いまだ実現していない商業的な成果をすでに十分織り込んでいるのではないかとの見方が強まりつつある。数カ月にわたり強気な見方が続いてきたが、市場は将来性への期待よりも、実際に収益化を実現できるかどうかに一段と注目し始めているようだ。
最近の企業発表もこうした懸念を後押ししている。例えば、アップルが先週、一部製品の値上げを発表したことは、半導体コストの上昇がテクノロジー業界全体に影響を及ぼし始めていることを浮き彫りにした。企業がAIインフラへの積極投資を続けるなか、プロセッサーやデータセンター、電力消費にかかるコストは、ますます無視できない要因となっている。
AI関連投資の規模は依然として極めて大きい。テクノロジー企業はAI開発に向けて数千億ドル規模の投資を続けているものの、目立った利益成長はそれに見合うほど進んでいない。これまで投資家は、将来的な収益拡大への期待から短期的な利益水準をあまり問題視してこなかった。しかし、期待された収益が実現しなければ、そうした忍耐も徐々に維持しにくくなる可能性がある。
AIは過去のテクノロジー・サイクルとは異なり、企業が十分なキャッシュフローを生み出す前に巨額の先行投資を必要とする。そのため、資金調達コストへの感応度が高く、経済環境の追い風が弱まった場合には企業業績がより大きな影響を受けやすい。
ウォーシュFRB議長が政策に対する明確な姿勢を示さなかったにもかかわらず、最近のFRB高官による発言を受けて、米金利が引き続き、高水準で推移するとの見方は強まっている。今後発表される経済指標が引き続き、米景気の底堅さを示す内容となれば、市場では早期の金融緩和観測がさらに後退する可能性がある。
これはAI関連企業にとって重要な意味を持つ。多くの企業が事業拡大計画を継続的な設備投資や資本支出に依存しているためだ。借入コストの上昇は新規プロジェクトの採算ラインを引き上げるほか、将来見込まれる利益の現在価値を押し下げる。特に、企業価値の大部分が将来のキャッシュフローへの期待によって支えられているグロース株にとって、その影響は大きい。
これらをまとめると、高い株価評価、AIインフラ関連コストの上昇、そして金融環境の引き締まりが重なり、投資家は今年の市場をけん引してきたAI関連テーマについて見直しを進めている。人工知能を巡る長期的な成長機会は依然として大きいものの、市場は投資拡大と実際の利益成長とのギャップをこれまでのように看過しなくなりつつある。
テクニカル面から見ると、ナスダック100指数の見通しは現時点で全面的に弱気へ傾いたわけではない。指数は本格的な調整局面入りを示唆するほどの動きは見せておらず、依然として持ち合い(レンジ)局面にある。29,600は引き続き重要な分岐点として機能しており、この水準を巡って買い方と売り方の攻防が続いている。

足元の値動きでは高値を切り下げる展開が続いているものの、ナスダック100先物をベースとする当社の米テク株100(US Tech 100)指数は依然として21日指数平滑移動平均線(EMA)を上回って推移しており、主要なサポート水準も維持されている。
そのため、より大きな上昇トレンドは現時点で崩れていない。ただし、季節要因的な利益確定売りに加え、AI関連銘柄のバリュエーションを巡る不透明感の高まりから、今後数週間は相場変動が拡大する可能性がある。
下値の注目水準としては、29,000ポイントを下回った場合、次のサポートは28,570ポイントとなる。さらに、6月のスイングロー付近である28,190が重要な下値サポートとして意識されている。この水準を明確に割り込めば、中期的な相場見通しの悪化を示唆し、一段と下押し圧力が強まる可能性がある。
一方、上値では心理的節目となる30,000が最初のレジスタンス、その上では30,500が意識されている。これらを上抜ければ、史上最高値圏である30,756が再び視野に入るだろう。
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(7月2日付記事「Nasdaq 100 forecast: Chipmakers and US jobs report in focus」、StoneXマーケット・アナリストのFawad Razaqzada著)
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