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ドル円見通し:日銀、円と国債の支えに限界

来週の日銀による利上げは市場に織り込まれている。より大きな問題は、日銀が債券市場を救うか、それとも円を救うか、どちらを選択するかという点だ。

ドル円見通し:日銀、円と国債の支えに限界

目次

目次

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市場は、来週の日銀による「政策金利1%への引き上げ」をほぼ織り込み済み

•    当局者は量的引き締め(QT)のペースを緩めたり、一時停止する可能性があると報じられている(日経新聞)

•    投資家は、日本特有のリスクに対し、より高い利回り補償を求めている

•    円安が、その補償のギャップを埋めている可能性がある

•    FRBと日銀の会合を控えるなか、米CPIとPPIがドル/円の行方を左右する鍵

日銀が直面する真の決断

市場は、日銀が来週、政策金利を25ベーシスポイント引き上げて1%にするとほぼ見込んでおり、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)の価格には、今年中に合計50ベーシスポイントの引き締めが織り込まれている。しかし、日経新聞が、政策当局者が保有国債の縮小ペースを緩める、あるいは一時停止することさえ検討していると報じたことを受け、焦点は日銀が量的引き締めのペースの舵取りをどうするかに集まっている。

昨年6月に発表された計画では、日銀は四半期ごとに4000億円ずつ削減し、2026年初頭までに月間の国債購入額を約5.7兆円から2.9兆円に引き下げる予定だった。購入額はその後も減少し、月間約2.1兆円まで縮小すると予想されていた。しかし、最新の観測によれば、その道筋が変更となる可能性が出てきた。

予測可能な形での縮小

予測可能な形での縮小
出所:日銀

だからこそ、来週の決定は極めて重要となる。日銀はここ数年、償還を迎える国債の買い入れを抑制しており、世界的に金利が上昇するなか、日本国債市場における有力な買い手の存在感を徐々に薄めている。その分、民間投資家は、より多くの公的債務の供給を吸収せざるを得なくなり、これが長期日本国債の利回りがこれほど急激に上昇した一因となっている。

筆者はかねてより、円を守るか日本国債市場を守るかの選択を迫られた場合、日銀は最終的に債券市場を選ぶよう圧力を受けるだろうと主張してきた。もし来週、日銀がポートフォリオ縮小のペースを緩めることを決定すれば、その見方が裏付けられることになり、政策当局者が利上げを継続するなかでも、円は再び下落圧力にさらされることになるだろう。

エネルギー市場の変動やリスク資産の不安定さにもかかわらず、一貫した傾向として円と日本国債は弱含んでいる。これは構造的な問題だ。米国の利回りが高水準にとどまり、世界の中で際立つ米国の経済力が続く限り、日本の政策立案者は、安定した低利回りと円相場の安定の両立は不可能であることを受け入れざるを得ないかもしれない。財政・インフレ・地政学的リスクに見合うリターンを確保するため、国債利回りを上昇させるか、あるいは圧力のはけ口として通貨をさらに弱体化させるかのいずれかの選択が迫られている。

利回りの上昇と円安を同時に抑制しようとする、いわば「いいとこ取り」はできない。一時的にはうまくいくかもしれないが、特に金利(借入コスト)の上昇によって資本市場の競争が激化している現状では、それを永遠に続けることは難しいだろう。

もしこの見方が正しければ、来週の日銀の政策決定は、すでに市場に織り込まれている利上げよりも、むしろ量的引き締め(QT)の今後のペースに焦点が当てられることになるかもしれない。

日本国債の利回り曲線が本当に示していること

日本国債利回り:週足チャート

日本国債利回り:週足チャート
出所:TradingView

市場が日銀のさらなる引き締めを織り込むなか、短期国債利回りは上昇を続けているが、インフレ率が長年にわたり目標を上回っていることを考慮すれば、予想されるほどには上昇していない。むしろ、日銀が慎重な姿勢を貫くとの見方は依然として根強く、その結果、日銀がインフレの進行に後れを取るリスクが高まっている。

これが、長期国債利回りがこれほど劇的に上昇した理由である。投資家はすでに、長期の日本国債を保有するためにより高いリターンを求めており、財政リスク、インフレリスク、地政学的リスクが高まっているとの認識を反映して、期間プレミアムが上昇している。事実上、市場は、政策立案者が実行する準備があると見込まれる以上の措置を講じて、こうしたリスクを最小限に抑えるよう日銀に求めているのである。

通貨を通じた補償

円指数: 月足チャート

日本国債利回り:週足チャート
出所:TradingView

その補償が金利や利回りの上昇という形で提供されない場合、他の手段で補わなければならない可能性がある。日本当局による過去最大規模の介入、エネルギー価格の変動、そして市場全体のボラティリティの高まりにもかかわらず、円安傾向は続いている。

投資家が、日銀は自分たちが認識しているリスクを相殺するのに十分な補償を提供するとは信じていない場合、日本資産の魅力を高める一つの方法は、通貨安を通じたものとなる。

介入もトレンドを変えるには至らなかった

ドル/円の日足チャートの値動きは、その状況を如実に物語っている。財務省による過去最大規模の介入は円の上昇を鈍化させただけで、トレンド反転には至らなかった。その結果、同通貨ペアは新たな上昇トレンドに入り、着実に高値を更新している。ここ数週間、「下値の切り上げ」が続いていることを見れば、それは明らかであり、長い下ヒゲが示すように、強気勢力が依然として主導権を握っており、わずかな下落があるたびに価格を押し上げている。

ドル/円: 日足チャート

日本国債利回り:週足チャート
出所:TradingView

エネルギー価格は下落傾向にあり、円買い・ドル売り介入の懸念も残っているが、値動きを見る限り、それらはほとんど影響を与えていないようだ。14期間のRSI(相対力指数)が50を上回って上昇を続けているが、まだ買われ過ぎ圏には入っていないことから、上昇の勢いは強まっていることが示されている。強気派にとって好材料となるのは、MACD(移動平均収束拡散手法)がすでにシグナルラインを上抜けし、プラス圏に戻っている点だ。

両テクニカル指標および価格の回復は、介入が買い手にとって、より良い買い場を提供したに過ぎないことを裏付けている。当面、買い手は2026年の高値である160.73を再び試す展開に注目すると見られる。もしそこを突破すれば、次の焦点は自然と2024年に付けた数年ぶりの高値である161.95へと移るだろう。

一方、下落局面では、160を下回って158.80付近まで下落するたびに押し目買いが繰り返し入っており、この水準が当面の注目ポイントとなっている。この水準を割り込んだ場合は、5月からの上昇トレンドラインと50日移動平均線が次の下値目標となるだろう。

米国のインフレ指標は重要だが、今後1年間で2回の利上げを織り込んでいる米連邦準備制度理事会(FRB)の政策に対する見通しが実質的に覆らない限り、いずれの指標もドル/円に大幅な下落をもたらすとは考えにくい。むしろ、リスクは逆方向に偏っている可能性がある。もしインフレデータが、住宅を除くコアサービスなどの分野で、エネルギー価格高騰による二次的なインフレ効果が現れ始めていることを示唆すれば、ドル相場に弾みがつき、来週のFRBおよび日銀の会合を控えるなか、円安圧力が強まる可能性がある。

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(6月10日付記事「USD/JPY Forecast: The BOJ Can’t Save the Yen and JGBs Forever」、FOREX.comのマーケット・アナリストDavid Scutt著)

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