
【前日の為替概況】ドル円、反発 米10年債利回りが2007年11月以来の高水準を記録
19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は147.86円と前営業日NY終値(147.61円)と比べて25銭程度のドル高水準だった。米10年債利回りが一時4.3667%前後と2007年11月以来の高水準を記録すると円売り・ドル買いが優勢となった。アジア時間の高値147.89円を上抜けて一時147.92円と日通し高値を更新した。ただ、15日に付けた年初来高値147.95円がレジスタンスとして意識されるとやや伸び悩んだ。
ユーロドルは3営業日ぶりに反落。終値は1.0679ドルと前営業日NY終値(1.0692ドル)と比べて0.0013ドル程度のユーロ安水準だった。独長期金利の上昇などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。21時30分前に一時1.0718ドルと日通し高値を更新した。19-20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にポジション調整目的の買いも入った。
ただ、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると、4時30分前に1.0676ドル付近まで押し戻された。
ユーロ円は小幅ながら続伸。終値は157.90円と前営業日NY終値(157.82円)と比べて8銭程度のユーロ高水準。21時30分前に一時158.28円と本日高値を付けたものの、そのあとは157.81円付近まで押し戻された。ユーロドルにつれた動きとなった。
【本日の東京為替見通し】148円窺う局面もFOMC待ちで値動き限られるか、中国LPRに要注目
本日のドル円も底堅さを維持し、148円をうかがう局面があるかもしれないが、本日米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利並びに経済・金利見通し(ドットチャートを含む)の公表などを控えていることで、値動きは限られたものになるか。
昨日、ユーロドルが1.0700ドル台を上抜けたように、FOMCを前にドル円も目先の短期的なストップロスをつけ、148円台を狙いにいく場面もありそうだ。しかしながら、FOMCの経済・金利見通しが6月時点と比較し、どの程度変化があるのか、またパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見でどのような見解を示すのかが、今回は非常に読みにくいこともあり、一方的に為替市場が動くのは考えにくい。仮に148円を突破した場合でも、為替介入警戒感や、22日の日銀政策決定会合を控え、昨年11月に付けた148.40円台までドルを持ち上げるのも難しく、小幅な上昇に留まると予想する。
本日から大きなイベント(中銀の各国政策決定会合)が続くことで、アジア時間に敢えて大きなリスクを取る地合いにはなりにくいだろう。しかしながら、本日は中国が1年物と5年以上物の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)を発表することには注目したい。8月は1年物LPRを引き下げたが、住宅ローン金利の目安である5年超LPRが据え置かれ、市場は失望感から株が軟調に動き、リスク回避に敏感なオセアニア通貨が弱含んだ。人民元取引の基準値公表とほぼ同時刻に発表され、香港・中国株式市場が寄り付く直前ということもあり、LPR発表から中国株式市場が始まる数十分の間は中国をめぐる値動きが、円を含め多くの通貨に影響を与えることになりそうだ。
なお、本日は本邦から8月の貿易統計が発表される。8月は資源価格の高騰もあり、7月よりも赤字幅が大幅に拡大する予想となっている。
【本日の重要指標】
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 8月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前6591億円の赤字、季節調整済4425億円の赤字)
<海外>
○15:00 ◇ 8月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.2%)
○15:00 ◎ 8月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.7%/前年比7.0%)
○15:00 ◎ 8月英CPIコア指数(予想:前年比6.8%)
○15:00 ◇ 8月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.8%/前年比9.3%)
○17:00 ◎ 8月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比4.8%)
○18:00 ◇ 7月ユーロ圏建設支出
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○20:00 ◇ 7月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲1.2%)
○21:30 ◎ エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○21日03:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:5.25-5.50%で据え置き)
○21日03:00 ◎ FOMC、経済・金利見通し発表
○21日03:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○21日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表(予想:12.75%に引き下げ)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
19日10:37 豪準備銀行(RBA)議事要旨
「0.25%の利上げも検討したが、据え置き論拠が強いという判断」
「インフ率は現在の6%から24年末にかけて約3.25%に減速し、25年後半には2-3%の目標帯に達する予測」
「引き締め政策の全体的な影響をより詳細に評価するため、時間をかける必要があると認識」
「経済データと見通しへの影響、リスクが判断の指針に」
「中国経済の下向きリスクが拡大している」
「金融政策のさらなる引き締めが必要となる可能性があるとの認識で一致」
「8月に燃料価格が急騰し、第3四半期のヘッドラインインフレが加速される可能性」
「労働市場が依然としてひっ迫しているが、転換点に達している可能性が指摘」
「一部の委員は、経済が予想よりも急激に減速するリスクがあると指摘」
「複数の委員、前回会合以降、政策金利のピークに対する市場の予想が低下していると指摘」
19日10:42 西村経済相
「金利高を乗り越えていける企業体制が重要」
19日11:01 岸田首相
「米経済関係者に向けて、日本の経済金融に対する取り組みをアピールするスピーチを予定」
19日15:50 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)は金利を必要な限り長く4%に維持する」
「4%の金利は適切な水準」
「金利がどの程度の期間4%に留まるかは断言できない」
19日23:38 バイデン米大統領
「米国は中国とのデカップリングではなくデリスクに賛成」
「中国との競争を責任を持って管理したい」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=転換線近辺まで21日線上昇、しっかりした支えに>
小陽線引け。一目均衡表・転換線146.93円を下値に控えるなか底堅い推移が続き、148円回復をうかがう状況となっている。
21日移動平均線も146.87円前後と転換線近辺まで上昇して同水準付近のサポートがよりしっかりしてきた。下値も13・14日安値が付近に位置する147円前後にとどまりそうな様相。米金融政策の結果など材料次第ではあるが、高値更新をうかがう流れが続いている。
レジスタンス1 148.45(2022/11/3高値)
前日終値 147.86
サポート1 147.02(9/13・14安値)
サポート2 146.44(9/12安値)
<ユーロドル=転換線を上回る場面あったが押し返される>
上影陰線引け。一時1.0718ドルと、一目均衡表・転換線1.0701ドルを上回る場面もあったが押し返され、1.0680ドルで引けた5日移動平均線を追うように下落した。本日1.0671ドル前後へ切り下がる5日線付近で重い動きが続きそう。直近の下値節目である14日安値1.0632ドルの下抜けを試す展開を想定する。
レジスタンス1 1.0752(9/14高値)
前日終値 1.0679
サポート1 1.0608(3/17安値)
<ポンド円=転換線付近で重い動きが続きそう>
陽線引け。183.49円までじり高となったが、一目均衡表・転換線を前に頭打ちとなった。本日183.49円へ低下した転換線付近が引き続き重そう。同線は今後も低下が続く見込み。同線を重しとしたさえない推移が強いられそうだ。
レジスタンス1 183.92(9/15高値)
前日終値 183.23
サポート1 182.52(9/14安値)
<NZドル円=深押しあっても転換線などが支え>
陽線引け。本日早朝には一時87.87円と、8月2日以来の高値を更新する動きが続いている。昨日87.45円で引けた5日移動平均線からややかい離した感もあり、本日87.45円前後で推移する同線付近まで調整が入る展開も視野に入れておきたい。ただ、底堅さは大きく損なわれないとみる。下押しが深めになっても、上昇が続く見込みの一目均衡表・転換線87.13円も支えになりそうな状態であり、上向きの流れが続くと予想する。
レジスタンス1 88.22(8/2高値)
前日終値 87.76
サポート1 87.13(日足一目均衡表・転換線)
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