米ドル/円は200日間移動平均に向かうも、RSIは買われすぎの領域に入る可能性

Article By ストラテジスト

米ドル/円の概況

米ドル/円は今年の最高値(137.10円)を更新後、200日間移動平均(137.28円)に近づきつつある。昨年見られた値動きと同じようにこれ以上為替レートが上がれば、それに応じて相対力指数(RSI)が70を超える可能性もある。

米ドル/円は200日間移動平均に向かうも、RSIは買われすぎの領域に入る可能性

強気相場の勢いが足場を固めつつあるように見えることから、200日間移動平均を超えれば米ドル/円は12月の高値(138.18円)に向かって上がっていく可能性がある。ただし、ISMのサービス業購買担当者景気指数(PMI)が景気減速を示すと見込まれていることもあり、米国で今後発表される主要な経済データによっては短期的な値上がりは抑制されるかもしれない。

ISM指数は1月の55.2から2月は54.5に下がると予想されており、これはFRBに対しては利上げサイクル終了のプレッシャーとなることから、悲観傾向によって米ドル/円は200日移動平均より下にとどまる可能性もある。

その反面、今月後半に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)政策会合では25bpの利上げがほぼ既定路線と見られることから、会合前に米ドル価格は逆風に直面すると考えられる。ただし企業景況指数の支出部門の今後の数値が上がれば、FRBのインフレとの戦いが続くことで米ドル/円の価格が下支えされる可能性もある。

以上を踏まえ、最近の米ドル/円の値上がり傾向は、特に日銀がイールドカーブ・コントロールによる量的・質的緩和政策を取り続けることで続くかもしれない。さらに昨年の値動きを大筋でなぞる形の為替レートの値上がりが続けば、それに応じてRSI70を超える可能性がある。

円価格チャート-米ドル/円、日足

 

ストラテジスト、David Songが作成TradingViewでのUSD/JPYチャート

  • 最近の米ドル/円価格が200日間移動平均(137.28円)に向かって上がり、相対力指数(RSI)が202210月以来初めて買われすぎの領域に入ろうとしている。
  • 昨年の値動きに近い形で今後米ドル/円が値上がりし、それに応じてRSIが継続的に70を超える可能性がある。200日間移動平均を超えて値上がりすれば、安定的な強気相場になり、12月の高値(138.18円)を試す展開も視野に入ってくるだろう。
  • 次の注目エリアは138.7078.6%のフィボナッチエクステンション)~134.00円(23.6%のフィボナッチリトレースメント)前後だが、200日間移動平均を超えなければRSIは買われすぎの領域に入ることは無いと思われる。
  • 136.00円(23.6%のフィボナッチエクステンション)を超える勢いを維持できなければ、米ドル/円は132.60円(38.2%のフィボナッチリトレースメント)~133.90円(23.6%のフィボナッチリトレースメント)のエリアに戻り、50日間移動平均(132.03円)を割り込んで130.20円(61.8%のフィボナッチエクステンション)にまで値下がりする可能性もある。



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