米ドル/日本円ではレンジ相場に縛られた値動きがなくなる

Article By ストラテジスト

円の見通し

米ドル/円は去年の11月以来初めて50日間移動平均(132.32円)を試した後、再度値下がりしていたが、先月から続いていたレンジ相場の値動きが見られなくなっていることから、移動平均より上に向かう可能性がある。

米ドル/日本円ではレンジ相場に縛られた値動きがなくなる

今週の最安値を更新した(130.34円)米ドル/円は、長期米国債利回りの最近の低迷に追従しているように見える。移動平均線の下降が続く場合、今年の最安値(127.23円)からの値上がりを維持するのは難しいかもしれない。

今後黒田東彦総裁の退任に伴い、日銀での政策変更が米ドル/円の価格に影響を与える可能性はある。一方、量的・質的緩和(QQE)とイールドカーブコントロール(YCC)は引き続き実施されており、各国の主要な中央銀行が金融引き締め政策を取る中、新総裁が枠組みを変更するかどうかはまだわからない。

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それまでは、米国の中央銀行が利上げのペースを落とし、FRBをめぐる憶測から米ドル/円の価格は乱高下する可能性がある。ミシガン大学消費者信頼感指数の更新は、米国の金融政策にほとんど影響を与えないだろう。この値は1月の64.9から今月は65.0に改善すると見込まれている。

しかし家計に関する自信の改善は、連邦公開市場委員会(FOMC)に対しては米国の金利上昇ペース緩和への圧力となり、米ドル/円の価格を支えるかもしれない。市場はインフレ率のさらなる低下を見込んではいるが、米国の消費者物価指数(CPI)が今後更新されても、為替レートは今月の安値(128.08)よりも高い水準を維持する可能性がある。

それに加え、FOMCのジェローム・パウエル議長と仲間たちが3月には再度25bpの利上げを実施すると見込まれており、これが米ドル価格に対する向かい風になる可能性はある。しかし先月から続いているレンジ相場の値動きが見られなくなっていることから、米ドル/円は50日間移動平均(132.32)よりも上に向かうかもしれない。

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円価格チャート-米ドル/円、日足

ストラテジスト、David Songが作成TradingViewでのUSD/JPYチャート

  • 米ドル/円は、11月以来初めて50日間移動平均(132.32円)を試した後、週の安値(130.34円)で取引されている。130.20円(61.8%のフィボナッチエクスパンジョン)を下抜けした場合には、今月の安値(128.08円)に向かう可能性が高い。
  • 2月初めのレンジを維持できなかった場合は、米ドル/円は移動平均の下降に追従を続ける可能性がある。1月の安値(127.23円)を下回ると、126.60円(50%のフィボナッチリトレースメント)近くまで下がる可能性が出てくる。
ただし、130.20円(61.8%のフィボナッチエクスパンジョン)よりも上を維持すれば、さらに移動平均を超えて値上がりするかもしれない。132.60 (38.2%のフィボナッチリトレースメント)から133.90円(23.6%のフィボナッチリトレースメント)を超えれば、1月の最高値(134.78円)に向かう可能性が出てくる。


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